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読書記録『仕事の辞め方(鈴木おさむ著)』

昨年10月に引退を表明された放送作家の鈴木おさむさんが本「仕事の辞め方」を出されました。編集者は幻冬舎の箕輪厚介さん。二人ともファンなので、これは読まなければと。1月に発売されて、すでにベストセラーになっています。


鈴木おさむさんのラジオを定期的に聴いているのですが、この人は本当に好奇心と行動力の塊のような人だという印象です。リミッターが完全に振り切れている。好奇心と行動力を持ち続けられれば、人は老けないのだなと、鈴木おさむさんから感じます。


この本の読者層は2種類の人を想定されていて、1つは今後のキャリアチェンジを少しでも考えている人。もう1つは、仕事を辞めることなどは特に考えていない人。つまり働く人全般になるわけですが、後者の人に向けては、辞めることを考えてなくても一旦「仕事を辞める」ということを想像することで、逆説的に今の仕事への感謝や意義を感じられるというもの。


長年テレビ界のトップランカーとして活躍してきた鈴木おさむさん。今もなおヒット作を頻発しながらも、数年前に戦友だったSMAPが解散してから、仕事に対する120%のスイッチが入りづらくなったそう。自分の人生を俯瞰で見た時に、ここ数年の人生はつまらないものになっている、と。

自分が熱狂しないのに地位や意見力だけが大きくなってしまい、若手のチャンスを奪ってしまう存在(この本では「ソフト老害」と表現されてました)になってしまったことも自覚し、今回の英断に至ったそう。

本の中で特に面白かった項目が2つ。

1つは近藤麻理恵さん(こんまり)の『人生がときめく片づけの魔法』メソッドに基づき、仕事や人間関係や環境を「ときめくかときめかないか」で考える、という項。一見感覚的に見えますが、実はすごく理にかなっていて「ときめくかときめかないか」は、不純な損得勘定や理屈抜きに、実は人生における非常に理にかなった選択基準になっている。

もう1つが「運」を「雨」に例えた功。おさむさんいわく成功には運も付きもの。「運の雨」が降っていたとすると、その運の雨が降っているところに立っていないと雲の雨に当たることはできない。家の中にじっとしていたり、いつも同じ場所で同じ仲間といて満足している人は、その雲の雨に当たる可能性が極めて低くなる。出会いやチャンスを求めて果敢に様々な場所に出かける人こそ、運を掴めるそう。

長年大成功をおさめてきた放送作家という仕事を辞めることも、新たな運の雨を探す旅なのかもしれません。

この本では、「空いたスペースに新たなものが入ってくる」ということも話されてました。ワクワクしなくなった仕事や環境を、まずは手放す。手放してスペースが空いたからこそ、そこに何か新しいものが入ってくる。

キャリアチェンジを少しでも考えている人も、そうでない人も、一旦今後のことをかんがえるきっかけとして、読んでみてはいかがでしょうか。


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