感覚について

中学生の頃に音楽を作り始めた。

高校生になるまで、取り憑かれたように音楽を作り続けた。
「1日に1曲は作る」という謎の縛りを設けていた記憶もある。

学校が終わるとそそくさと家に帰り、今の時代じゃ考えられないほど低スペックなPCや、安物のギターで音楽を作った。

高校生になった頃には500曲以上作っていた。
自分には曲作りの才能がなかったので、音楽の形をした空虚みたいなものが何百曲と出来上がっただけだったが。

でも、どんなものが出来上がったかよりも、それを作っている過程が好きだった気がする。

出来上がったものが例えばゴミでも芸術でもどっちでもよくて、0から1を生み出すような感覚に酔う毎日。
自分が作った音楽は自分で作る以外どこにもない、という不思議な高揚感。

自分を表してくれる音楽なんて、世の中にはなかった。
だから作るしかなかった、とも言える。

最近は、あの時の感じが戻ってきているように思う。
誰にも邪魔をされずに、ただひたすら作ることが好きで。

これからもそうでいたい。

THURSDAY'S YOUTH
篠山浩生

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