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共創と協業の違い

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅰ 第5回(2020年6月15日開催)産総研江渡浩一郎さんの講演を聴講した記録を残します。

江渡浩一郎さんは産総研の中で共創イノベーションの実践研究を手掛けられており、2011年から5年限定で行われたニコニコ学会βなどのプロデュースなどを行っています。
学生時代からメディアアーティストとして活躍され、現在も未来科学館の常設展示にもある「インターネット物理モデル」なども手掛けられたそうです。とにかくパワフルで情熱的。


講演の中で、共創イノベーションで最も大切なのが「共通善」、それを見つけ出すのが9割と断言されていたのが印象的でした。

「共通善」とは「共通の目的」のこと、つまりはビジョン。そして、「共創」について「協業」と対比する形で非常に明快な定義をされていたのがわかりやすかった。

共創と協業は何が違うのか?

協業は、あらかじめ分担を決めてから、得られる利益もあらかじめ決めておくこと。
共創とは、「事前に協調せず」に行動する、仕事を分担しない。
そして、共創では「共通善」を共に探す。

私は普段仕事の中で「共創」という言葉をよく使うが、協業と共創がまじりあった、とてもあいまいな概念で理解していたように思う。

パートナーシップという名の「協業」で、あらかじめ分担やその得られる果実を明確に定義してからスタートするという呪縛に囚われていたし、それが正しいと思っていた。そして、何かがうまくいかないというモヤモヤがあったが、今回の講演での定義を聞いてとても腑に落ちた感じがした。

企業間の「共創」においては、名ばかりの「共創」で、それぞれの想いがないまま活動がスタートしてしまうことがほとんどだと感じます。そして、問題を探すところからスタートするような活動に関しては、この「共通善」を探して、個人レベルで想いを共にしてスタートするということの大切さ、それがもたらす強固なパートナーシップ、持続性を得ることができるということを身をもって実感します。そういう活動のほうが何よりも楽しいですね。

この「共通善」を探すこと自体が人生そのものな気がしてきて、アーティスティックアントレプレナーになること、自分にとってどういう意味を持つのだろう?どんな人生を送りたいのか?

深く考えさせられた講演でした。

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