わが青春の阿呆旅(あほうたび) 中京編(その1)
「山に登るのは、そこに山があるから」という名言を耳にしたことはありますか?
実はこの言葉、登山家・ジョージ・マロリーがエベレスト登山の際のインタビューで、「エベレスト」に登る理由を記者に問われた際のこと…。
その時のマロリー氏の言葉、「そこにエベレストがあるから」という返事を誤訳したものらしいのです。
それはさておき。
鉄は「そこに鉄道があるから」という理由で、一般人には思いもつかないルートで旅を楽しむもの。
常識のある方なら、「これは阿呆(あほう) だ」と思われても仕方のない旅をズバリ「阿呆旅」と呼ぶことにして、今回の旅をスタートしましょう😁
旅のターゲットは、名古屋とその周辺を走る魅力的な列車たち。
なんですが、あれ、ここが旅のスタート地点?
はい、あえて鉄道ではなく高速バスで東京を脱出する目論見なんです。
土曜日の夕方、定時まで職場での勤めを終えたあと、いつもとは逆方向の電車に乗って新宿駅へ。
バスタ新宿に入ると、3階から北側のルミネ2を見下ろすことができます。
ここまで来ると、新宿の喧騒とはちょっと離れて、旅気分が増しますね。
各方面のバスを待つ人々が集う待合室。
私もしばしその中に紛れ時を過ごします。
私が乗る、東海バス・JR三島駅方面ゆき「三島エクスプレス」が姿を現しました。
なぜ、東京駅から電車に乗らないのか?
なぜ、名古屋ゆきの夜行高速バスではないのか?
最初は、鉄の「阿呆旅」にふさわしく、熱海ゆきの列車に乗り普通列車グリーン車に乗車して楽しもうかと思ったのですが…。
以前も経験しましたが、土曜夜のグリーン席はなかなか空席がなくて。
あ、電車がだめなら高速バスがある!
当日朝、やっとそこに気づき、Webで予約をした次第。
これなら座席は確保されますし、JR東海圏内まで乗換なしでスーッと移動できる🎵
(しかもちょっとお安い)
スタートから、定石を外す行動へと駆り立てられるのが阿呆旅なのです😁
単に費用を抑える旅なら、若い頃からいろいろ試行錯誤していました。
しかし、今はもうオジサンですのでラクに越したことはありません(笑)。
安さを意識しつつも、オジサンにも耐えられる阿呆旅が今回の趣旨なのです。
バスは東名・新東名高速道路を快調に駆け抜け、JR東海・三島駅へ。
本来はここで三島名物・三島コロッケを乗せた駅そばをいただきたいところ。
しかし到着時刻はまさしく駅そば店のラストオーダー。。。
泣く泣く、夕食を確保するため、隣の沼津駅まで移動。
駅前のサイゼリヤでお腹を満たし、ふたたび沼津駅で待機。
本来、なんでこんな深夜めがけて出発したのか?
実は、三島ゆき最終こだま号に連絡する形で、金曜・土曜夜限定で三島から静岡駅まで走る「深夜快速」なるものがあるのです。
これで深夜に静岡駅に到着し、快活クラブ・静岡駅南口店で仮眠することで早朝の列車に乗り継ぐ方法を検討していました。
ただし、同店では、深夜チェックインの予約を受け付けていなかったのです…。
それではご覧の皆さんの参考にならないと、ひとつ手前の東静岡駅最寄りの店舗にて23時30分チェックインの予約を済ませ、それに間に合うよう予定を変更した次第。
それがなんと…!
私が選択した日の沼津21時56分発・静岡ゆきは、編成の半分が転換クロスシートの313系8000番台!
春のダイヤ改正で東海地区から静岡へ移籍した、貧乏旅行派の乗客にとって大幅な環境改善策となるすんばらしい車両なんです。
ズバリ、各駅停車ながら快適な車内でのんびり静岡まで移動できる「乗りドク列車」!(乗ってお得な列車)
(313系8000番台の運用は日によって異なるため、事前に狙って乗るのは難しいらしい)
深夜の東海路を、まさしく夢見心地で移動することになった次第。
これはツイてましたね(^^ゞ
【つづく】