連載小説「クラリセージの調べ」4-4
聞きなれた雀の声が一日の始まりを告げる。ベッドに横たわったまま、枕元に右手を伸ばす。一年以上続けている習慣なので、難なく婦人体温計を探り当てる。舌下に体温計を入れ、眠気に引きずられて目を閉じる。危うく寝落ちしそうになった頃、かすかな電子音に引き戻される。
寝ぼけ眼をこすり、示された体温を凝視する。アプリの予想では、一昨日で高温期が終わるはずだったが、昨日も基礎体温は高いままだった。どうせ、今日あたり下降すると思っていたが、予想に反して高いままなのだ。
私は基礎体温の