なぜ、設計ではなく計画なのか。
今日は少し自分の専攻に関するところから出てきたつぶやきの延長を書いてみたいと思います。
この文章が誰に届くはわかりませんが、進む分野に悩んでいたり考えていたりしている人が頭を整理するちょっとしたきっかけになるとかしたらいいのかなと。考えている当時はこんなに言語化できませんでしたが、社会人になって、やっと少し言語化することにできたので、その共有といった感じだと思ってもらえればと思います。
考えている当時って、だいたいよくわからないなりに信じて進んでいた印象です。
お題目は以下の通り。
このことを真面目に考えるきっかけになったのが、もう一昨年(2021年)のことになるわけだが、就職活動を始めてOB・OG訪問をしたり業界研究や会社研究をし始めてからでした。
就活に関するnoteを書いた時も書いたが、学部4年生までは建築設計・師匠設計に面白さを感じ学んできて、その中で都市にも興味を持って都市計画研究室に入って計画にも足を突っ込んだ所があります。
その後、意匠設計の大学院には門が開かれずに考える中で、「都市計画」「まちづくり」が自分の肌に合っているんじゃないかという思いから、院浪と都市計画コンサルでのアルバイトを始めていました。
就職活動というものは自分との対話をしながら、どんな仕事をしていきたいか、自分の何を売りにするのかを考えること。OB・OG訪問をする中で、口々にでてきていたのが「計画」という言葉と「建築設計にも興味がある」という個人的な思いでした。
そして、先輩に言われたわけだ。『なぜ、設計ではなく計画なのか?』
最初はちゃんと言葉にできず、設計部からジョブローテーションで開発部に来ていた人にも話を聞いてみたり、強みの一つに〈空間計画〉ができると「計画」という言葉を使ってみたりして濁していました。
きっと自己PRを聞いた先輩には、『この人は設計にも興味があるのか、設計志望でもいいんじゃないかな』と思われていたのでしょう。
今なら上手く理由が言語化できるかっもしれないなと思い、簡単に2つに分けてまとめておきたいと思います。
1.自分の興味・関心という視点から
1-1.建築設計と都市計画に感じている違い
違いというのは、より具体的にいうと、個人的に感じている2つの専門が持つ役割の違い・重視するポイントの違いです。
自分の中では建築設計は空間に一番注目し、より良い空間を成り立たせるための配置、スケール感、そしてディテールを詰めていくことが役割だと思っていて、対して都市計画は、都市全体の方向性(あり方)や構造に一番着目し、これからの方向性やスキームを組み立てていくことが役割だと思っています。(あくまで個人的な印象です。もちろんどちらの領域も日に日に拡大しているように感じています。近づいているなと。)
そして自分個人として、建築教育を受けていく中で、特に自分は①ディテール部分に興味がないこと、②より俯瞰的に建築をみていたこと、つまり設計課題で考える空間を都市の中で位置づけながら設計を行っていたこと、③建築をつくることだけが解決策ではないと感じていたことを思い起こしたわけです。
(そういうタイプなので、ディテールまで見て建築空間をつくれる人たちのことはすごくリスペクトしている。)
しかしまあ、まちづくりは幅が広く、ファニチャなどのディテールとかは考えないといけなくなるわけだが。
1-2.一番の興味は「都市」「まち」「エリア」という単位
設計に進んでともに学ぶ友人たちは様々な著名な建築を見に行って感動して帰ってくる中、自分ももちろん建築に感動を覚えたが、それ以上にまちを歩きながら見える街並みや人の活動の方が面白く感じていました。
今になってはブラタモリではないが、まちをぶらぶらしながらまちの構造や賑わいを感じ取るのが趣味になっている。
案外昔から都市やまちが好きだったんだなと気づきました。
2.自分が持っているスキルやキャラクターという視点から
2-1.物事の全体を俯瞰的に把握すること、マネジメントが得意
大学院のスタジオ課題、プロジェクトでも何かに没頭して詰めていくというよりもプロジェクトの進捗を見つつ、進んできた時にはまとめたり議論が進まない時はアイデアを考えて提案してみたり、そういうマネジメントの役割を担っていました。
もちろん設計をすることも好きなので、アイデアを出すわけだが、そういうことが得意な人が近くにいればそっと引いてアシストに回る。そういう特徴が僕があるように思っています。
2-2.興味のある分野が多岐にわたり、裾野尾を広げるのが好き
詰るところは飽き性。積み本をするにしろ一つの本を永遠と読むことはできないし、一つの物事をうーんと長い時間考え続けることができない人間なのです。
それよりも色々な所に足を延ばして考えてインプットとアウトプットを行い、それらを結びつけながら進めていくのが得意なタイプ。「あ、これとこれは同じだ」「こういう所が違いなのか」という発見をするのが好きで、建築デザインに関する論考を読むことも好きだが、都市計画・都市デザイン、都市経営、人文系も気になることが多い。
都市のこれからを考えるということは、単に工学的な都市計画がわかっていればいいという話ではないと思っているので、社会全体のデザインにもつながる所があり、興味のある分野の裾野尾が広いというのは都市を考える上では強みなのかもしれないと思い始めました。
3.さいごに:つまるところの実感
以上、2つのタイプ(気持ち面とキャラクター面)で4つの項目に分けて計画を選んだ理由について書いてみました。
超感覚的なことを言えば、都市の計画について考えている時の方が肌に合っている。色々な調整は大変だと思うけど、全体をつくり、個別具体にバトンタッチする。そんな瞬間を味わいたいと思っていますし、少しずつ味わっています。学ぶことが多くて大変だけど楽しいと思えています。
ちなみに、4つの理由を書いてみたが、これが当てはまれば計画に進むべきだとは思っていません。
それぞれが思うその分野が持つ特徴と自分のやりたいことや強みが重なる所を探して、どれぐらい重なるかが大事なのではなかろうかと思っています。
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さて、今回は就職活動でよく行う自己分析に近いかもしれないと書いたんだなと書き終わって思いました。まあ元々最初に、このnoteを書こうと思ったタイミングが就活直後だったからでしょう。かれこれ1年近く寝かせたことになりますね。
社会人になって、学生の時に感じていたことが言語化されている感覚があります。今の自分の立ち位置に納得するための方便にしかならないかもしれないなとも思いつつ、納得できて言語化できれば次に進めるかなとも思う。
社会人生活も始まったばかり、ということで頑張ります。
・・・
◆余談
話は全く上の話題では違うのだが、この文章を書くにあたってはChatGPTに軽く情報を入れて章立てのたたき台を作ってもらった。あとタイトルの絵は、その文脈で30個ほどキーワードを出してもらい、DALL-Eで画像生成してもらった。遊ばせながらパチパチ遊んできたところから応用していくことにしている今日この頃。しかしまだまだ業務には使えないかな。
なんかAIに対する謝辞みたい(笑)
都市計画・都市デザイン分野の論文や実際の上位・関連計画の最後にもこんな文言が入ったり協働したりする時代はすぐそこかもしれない。とはいえ、人間のための場所をつくることが目指すべき所だとしたら、いい感じでアシストしてくれる存在であるといいな。(アシスタントにできるかは指示を出すこちらの技量、問う力にかかっている。)
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