Z落語の皆さまへ

落語家の立川志の春です。今回私が出演したZ寄席という企画について博報堂/UOC(敬称略)からの明確なメッセージがない中で、私自身まったく意図しない中で巻き込まれているような形は本意ではなく、且つ今回の対応に関してZ落語の皆さまと同じく納得がいっていないので、一演者としての思いを述べさせていただきます。

今回の落語会、私は単発企画だと認識しております。直前で来たオファーであり、若い世代に対して落語を届けるということでお受けしましたが、企画名につきましては演者の預かり知る部分ではありません。そもそも恥ずかしながら「Z世代」というワードも今回初めて知った次第です。ですからZ落語の皆さまの活動を貶めようとか、盗もうとかというつもりは全くなく、純粋に幅広い世代に落語の魅力を届けたいという気持ちから受けたものです。イントロについても私が関わっていない部分です。

私自身これまで老若男女、国内外問わず、出来るだけ多くの方に落語に触れていただきたいという気持ちで、キャバレー、ライブハウス、スタジアム等での落語会や、海外公演も含めて活動してまいりました。可能な限りコラボ企画もやってきた中で、他の方の活動を邪魔したり、芽をつんだりするような気持ちは毛頭ございません。

今回家に帰って妻から公演中のLINEチャットを見せられ、落語会の間にこのような状況になっていたのか!と愕然としました。無念でした。同時に何とか回避することが出来なかったのか、と演者の立場で強く思いました。

先程も申し上げたとおり、今回の会は単発の会だと認識しており、シリーズ化されるものではないと思いますが、今後「Z寄席」という企画があったとしても、私が出演することはありません。

ただ一つ申し上げたいのは、今回参加してくださったZ世代の皆さんにまったく罪はなく、若い彼らとの対話は私にとって楽しく、学びの多いものでした。そこだけは否定したくない部分であります。

今回私が出演した会で傷ついた方がたくさんいらっしゃることと存じます。演者自身としてはそのような意図はまるでなく、落語の魅力を世代を超えて伝えていきたいという思いを共有しているということは、強く申し上げたいです。

主催側には私からも納得のいく説明をお願いしたい旨、お伝えしております。

以上、立川志の春、一演者としての思いを述べさせていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?