知らないことが多すぎる

ネットであれこれ読んでは知識を仕入れることが好きなのですが
日本における在留資格の「特別永住者」と「永住者」の違いを説明している文章を読んでいてふと、
「おや、わたしの最初の夫は特別永住者で、現在の夫は永住者だな」
と気がついて、だからどうということはないのですが、おもしろいなと思いました。

ちなみに「特別永住者」は簡単に言うと在日韓国・朝鮮人と呼ばれてるひとたちで、日本に帰化してない人々。

特別永住者 - Wikipediaja.wikipedia.org

「永住者」は普通に日本にやってきた外国人で、永住権を取得したひとです。

ちいさなことが引き金になって、昔のことを思い出したりします。
わたしも、年を取ったなあ。

いまでも知らないことはたくさんあるのですが、若いころはそれに輪をかけて物も恥もしらずに、思い出しては「ぎゃあ!」と叫びたくなることがありすぎる。
そのなかで、きょうの「特別永住者」が引き金で思い出したことはまあ、「そら、仕方ないさ」と思える部類のもの。

それはもうン十年も前のこと、当時二十歳のわたしはのちの夫となる25歳年上の在日韓国人のおっさんと海外旅行に行くことになりました。当時はすでに海外留学や海外旅行がさほど珍しくない時代だったけれど、おじさんはそれまで海外に行ったことがないとのことで、飛行機の手配などすべてわたしが済ませました。滞在先は、おじさんの飲食店をやっている友達が観光客向け宿泊施設を運営している現地の友人を紹介してくれ、そのひとが空港まで迎えに来てくれることになっていました。

当日は無事空港に到着して、出国手続きを進めていると、管理官から
「再入国許可証は?」
と問われ、わたしもおじさんもキョトン。

在日外国人は、出国の際にそれをもっていないと再入国できないとのこと。
そんなこと、わたしはもちろん、当事者のおじさんも知らず、どうしようと青くなってると
場所を説明され、
「ここの建物に行って、臨時の証書をもらってきてください!」
と言われてメインの建物を出てしばらくいったところにある建物へ慌てて走っていきました。
もうン十年も前の話なので、現在ではもっと手続きがスムーズだったり、便利な場所にあるかもしれません。もっとも、在留外国人なのに再入国許可証が必要なのを知らんアホウがわたしたちのほか、そうそういるとも思われません。

ともかくなんとか出国できて旅はたのしく、帰国してからおじさんの実家にいき、
パスポート取得の手伝いをしてくれたという、韓国にはしょっちゅう行ってるという
おじさんのお父さん(当時80歳くらい)におじさんが
「おい、再入国許可証いうのが必要やったやんけ」
と言うとにこにこして
「そやで」
と言っていましたが、それが当たり前のひとびとにとっては、わざわざ教えてあげることとも思わなかったんでしょうなあ…。

そしてなんの因果か、おじさんと別れて何年もたってから、わたしは来日外国人をお手伝いする仕事に携わるようになり、再入国許可証なんて当たり前に知っているけれども、自分にとっては当然のことでも、それが当然ではないひとたちもいるのだということを念頭において動けるひとになったのでした。

めでたしめでたし。

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