「サタンタンゴ」のオールナイト上映にいってきた

12月のなかば、たまにはロシア人の夫を映画に誘おうと、
一時戦車ゲームにハマってたしロシア語だしと
T-34 レジェンド・オブ・ウォー
を観に、一緒に2019年夏にリニューアルオープンしたてでピカピカの
京都みなみ会館に行ったところ、「サタンタンゴ」のオールナイト上映会が12月21日(土)にあるという、簡易ちらしをみつけました。

みなみ会館では、10月に一週間ほど上映されていた。
「サタンタンゴ」は2回観に行ったという、映像関係が仕事で映画大好きな友達でよく一緒に映画に行くひとから、わたしは絶対好きなはず、と言われたこともあり、行きたかったけれど、予定があわなかったのだ。

それが、来週末にオールナイトで上映されるというではないか。
土曜日の日中は予定あるけど、日曜はないから、映画のあと死んでられる。
すでに2回観たけどもう一回観たい、と言っていたその友達にも知らせる。
でも、彼こないだインフルに罹患して回復したばっかだから、きついかな?
彼も一緒だったら、絶対行くけど、ひとりはどうだろう…
と悩んだのはわずかな間で、「ひとりでも、行こう!」と
彼が好みそうな席のあたりを自分の分予約してお知らせしたら、
「体調大丈夫そうだから」
と、友達もその席の隣を予約したとのこと。

当日はほかの用事で朝から大阪や出町柳と走り回り、
夕方すこし仮眠をとって待ち合わせ。
腹ごしらえは、「ディナーだけど、アルコール飲まなくても罪悪感ないところ」と考え、
それをふまえた友達のおススメ、四条烏丸の昔ながらの洋食屋「亜樹」さんで。
わたしはB定食(ハンバーグ、ポークソテー、クリームコロッケ)。
うん、おいしかったです。
お代は、やもめの彼がインフルで外出不能なあいだ、
せっせと必要なものを買っては玄関先に置いておいたわたしへの謝意ということで、彼が払ってくれました。

それから、SUINA室町
で友達はコーシー、わたしは抹茶ラテ飲んで、「大垣書店」おっされ~と見て回り、目の前のバス停からバスに飛び乗って「近鉄九条駅」前のみなみ会館へ。

あらすじはというと、
ハンガリーの小さな村に、1年くらい前に「死んだ」と言われた男が戻ってくる。
男が戻ってくるといううわさが広まり、
村人たちは戦々恐々としているけれども、いざ男がやってきて演説すると、その言説にほだされて多くの村人が男についていくことにする。
男は詐欺師なのか、それとも救世主なのか…

という筋なのですが、筋よりも、描き方が重要で
ひとりひとりの個性、人間関係がしっかりと伝わってくる。
ワンカットが長い、ということでも有名だそうですが
同じ場面を違う角度、場所からみた様子が
忘れたくらいのころにでてきて
「あれ、これもしかしてあの場面の別角度からのもの?」
というのが多々。

詐欺師か救世主のイリミアーシュのたたずまい、振る舞い、言うことを見聞きしていると
「ああ、詐欺師ってこういう風にひとを騙すんだよな、ひとも、こういう風につかれると弱いんだよな」
と思う。

やはり、わかりやすいアクション映画、華やかなハリウッド映画などより
地に足のついたような、手の中の土を感じるような、
人生のつらさ、やるせなさ、でもどこか突き抜けたところもある暗さのヨーロッパ映画が好きです。

ついつい、「わかりやすく、スピーディーに」が現代的で有能、というのにどこか疲れており
「わかりにくくて、わからなくてもいいじゃないか、割り切れなくてもいいじゃないか」
ということに深く安心しているじぶんがいる。

22:30上映開始、翌朝6:30くらいに終了。
途中、二回の休憩をはさみ。
今回気づきましたが、わたし閉所恐怖症ぎみなのですが、
こういう場所もちょっと苦手なんだな~、と。
ちいさな劇場なので、空気がこもっており、ちかくのひとがおならしたら
くさい空気がしばらく滞留して息できない…。
夜行高速バスを思い出しました(なので、さいきんは乗らないようにしている)
家でくつろぎながら、好きなときに止めてトイレ行ったり飲み物つくったりなら映画3本、夜中から明け方までみたことあるけれど
狭い劇場での8時間は厳しかった。
けれどこの映画はまた観たい、細部を何度でも確認したい、と思いました。


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