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映画「淀川アジール」を観てきた

京都みなみ会館で「淀川アジール さどヤンの生活と意見」を観てきた。

きっかけは、スタンダップコメディアンで知人であるナオユキさん

のTwitterやFBで、ナオユキさんがこの映画のナレーションをしていると知ったから。

もともと、映画が好きで、とくに映画はWowowがおもしろかった時期によく観てた。
そのときは洋画ばかりだったけれど、京都木屋町四条下ルのジャズバー、
「Jazz in ろくでなし」に出入りしていると
マスターの横田さんが若松孝二監督の元助監督だった縁で
たくさんの映画監督や役者、関係者が来るお店なので
自然、一緒に飲んだ監督や関係者の邦画を観にいくことも増えてきた。
おきれいな表向きのドラマや映画とちがい、
ピンク映画出身の監督作品って人生や哲学を肌で感じさせるものがあるなあと思ったり。

昨年の終わりまで、2年ほどつきあっていたひとが映像関係のひとで
彼の活動を感心と憧れでみていたり話をきいたり
興味のある映画が一致したので、一緒にいろんなマイナー映画を観に行ったものだった。

在日韓国人の前の夫と別れて、しばらくはあんなに好きだったキムチにまったく食指が動かなくなった時期があった。
映像作家の彼と別れて、映画館にも行かなくなったし、家では一切映画を観なくなっちゃった。

ひさしぶりに映画館に足を運んだのは、「ろくでなし」のマスター横ちゃんに誘われて観に行った
「れいこいるか」

だった。

「淀川アジール」はそれ以来かな。

予告編で、「さどヤン」のしゃべりが、ナオユキさんの吹き替えかと思ったくらい、
さどヤンのしゃべりはナオユキさんの話の登場人物のしゃべり方にそっくりで
笑ってしまったのと同時に、ナオユキさんの語りってほんとにリアリティがあるのだな、と感心した。

「淀川アジール」は朝日新聞でも、紹介されていた。

大黒堂ミロさん企画なのね。
ミロさんは一度だけ、大阪で何年か前にあった「放禁祭」でだったと思うけど、お話させてもらった。飛鳥さんもよくご存じだってことで。
そのとき感じたのは、とてもオープンで分け隔てのないひとだな、ということ。
もう10年以上も前になるのだけれど、米国人のゲイであるピーター主宰の「プライドパーティー」に参加したときの参加者がそんな感じ、相手を警戒せずに自由である感じがとてもいいなと思った。

たぶんそういうミロさんとさどヤンとの交流からうまれた映画なのだと思うけれど、
映画の登場人物について特段の説明もなく、様子から
「ああ、こういう境遇のひとなんだろうな」
と想像できるのがいい。

猫をたくさん飼ってた隣のホームレスのおじさんが死んだあと、猫の世話をしにいろんなおばさんたちが餌をやりにきているのもよかった。
「猫の世話を世話することで、癒されるのよね。もう、中毒よ。アディ…アディク…アディクト?キャット・アディクト」

なんだかわけありそうな、裏の世界もよう知ってるようなおじさんが話にやってきて、さどヤンの在り方に感心する。
「飲み方も上品だし、いいよね」
そう言われて気づいたけれど、たしかに。
つねにワンカップ手にしてるけど、淡々とたのしそうだ。

さどヤンの生活をみていて、ある種の豊かさを感じるひとは多いに違いない。
そんなさどヤンの在り方にひかれた人々が彼の「サロン」にやってくる。

ひとことでは語れない、奥深い味わい。

ぜひ、多くのひとに見てもらいたい。

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