いつかどこかのコーヒーの話

だれと話をしていて、どういうながれでその話になったのだか、もうすっかり忘れてしまったのだけれど。

米国在住のカップルで奥さんは日本人で研究者、パートナーはアフリカ系で、こちらは研究者になれるくらいの学位は持っているけれども、のんびりしてらして無職だったか地元の講師なんだったか、ともかく稼ぎ頭は奥さん。彼は基本地元でのんびりしている。

奥さんは多忙で世界各国あちこち飛び回っていてなかなか会えず、
ある時彼との予定が合うことになったので、都合をつけて某国で会うことになり
そのための飛行機を手配してチケットを彼に送った。
しかし、その日になっても、待てど暮らせど彼はやってこない。
連絡をとってみると

「空港にむかっていたんだ。
そしたらね、とてもとても、コーヒーが飲みたくなって
Uターンして自宅にかえって、コーヒーをじっくり淹れて飲んだんだ。
とてもとても、おいしかったよ」

とのこと。

話をきいたわたしたちは、顔を見合わせた。
「それにしても、いろんな考え方や関係、時間の流れ方があるものね」
と。

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