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【魚コレクション016】 シマアジ

魚を知る「魚コレクション」マガジン


シマアジ

シマアジ
画像引用:https://www.zukan-bouz.com/syu/シマアジ


分類

スズキ目→アジ科→シマアジ属→シマアジ

名前

和名:島鰺(和漢三才図会)、縞鰺、島鯵 Simaaji
英語:
学名:Pseudocaranx dentex (Bloch and Schneider,1801)


形態

最大120cm TL前後
側へんして幼魚・若魚のときには側面か見ると体の中心部が高いアーモンド(猫の目形)、大きくなるに従い芽の後ろ上部が盛り上がってくる。生きているとき、鮮度のいいときには黄色い縦縞が1本体側に走る。


生息域

海水魚。沿岸の200mよりも浅い中・下層。
伊豆〜伊豆諸島、青森県〜九州南岸の太平洋沿岸(茨城県以北には未成魚)、[兵庫県明石(成魚)]、未成魚は新潟県〜九州北部の日本海沿岸、九州西岸、屋久島、沖縄島。
台湾、全世界の温帯域(東太平洋を除く)。

生態

産卵期は晩秋から冬。
ギュウギュウと鳴く。
小魚類をエサとする。

概要

国内では本州以南の比較的浅場に生息する。ぎゅぎゅうと鳴く魚で、日本各地に鳴き声由来の呼び名がある。関東では産地の伊豆諸島が近いこともあり、古くからの高級白身(関東ではブリ属なども白身)として重要。養殖が確立してやや値下がりしたが、それでもスーパーなどに並ぶことはない。天然ものは非常に少なく貴重な存在となっている。釣りの世界ではスーパースターである。
市場にならぶほとんどが養殖もの。天然物は少なく、中型の2キロ、3キロは非常に高く1尾で1万円、2万円することもある。養殖ものは価格が安定しており、キロあたり2000円〜3000円でやはり高価だが、ときどき大きく値崩れすることがある。刺身用アジ類ではシマアジ、カンパチ、ブリの順に高い。ニュージーランド、オーストラリアなどから近縁種のチルド輸入もある。輸入魚としては高価。

価格記録

天然
2022年4月15日 2000円 350円/100g
三宅島産
@鎌万

選び方

目が澄んでいるもの、身体に張りがあるもの。体色がくすんでいるもの、鰓の色が暗褐色のものはさける。

夏から秋

味わい

小型のものは年間を通して美味。
鱗は細かく取りにくい。皮は薄く取りにくい。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身で皮を引くと銀皮がある。血合いは赤くきれいである。熱を通しても強く縮まず、ほどよく繊維質で身離れがいい。


料理

シマアジの刺身

天然ものの刺身。値段が高いので刺身になることが多い。一般に刺身とし、粗を潮汁というのが定番だと思われる。刺身は白身と背の青い魚の中間にある、双方のよいところを持っている。特に天然物は大型のアジ類の中でももっとも後味がいい。どんなに高価でも天然シマアジを買うには意味があると思う。

養殖シマアジの刺身

養殖シマアジの脂は運動不足と高脂質のエサから来るものだろう。昔はこの大量の脂を嫌って氷水で締めてから使うという料理人も少なくなかった。身質は繊維質が少なくねっとりと舌にからみつくようで、後味まで強い。天然シマアジとはまったく別種の味だ。ときどき養殖物が逃げ出して、それが定置などに入ることがある。これも同様に味わいで脂の付き方は天然ものとは違っている。

養殖シマアジのカルパッチョ

脂が強いので刺身は好き嫌いがでる。それを柑橘類などでカバーし、脂に油を足し算したら、意外にもあっさりした味になった。


天然シマアジの塩焼き

脂がのったシマアジを切り身にして振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げたもの。まずは香りのよさに魅了される。身は脂を含んで柔らかく、舌の上でうま味を発散しながらほぐれていく。脂が強いのに後味がいいのも天然ものならでは。(ぼうずコンニャクより)

脂がいまいちだったのか、イマイチ。天然物だったのに。しかし頭やカマの塩焼きは美味。脂があったからか。脂ののっていないシマアジは天然物でもイマイチかもしれない。刺し身はまた別かも?

シマアジのみそ漬け

シマアジを三枚におろしてみその地につけ込む。地は広島県産白みそ、みりん、酒、少量の砂糖。これを焦がさないようにていねいに焼く。天然もので作ってもいいが養殖ものが値崩れしたときなどに漬け込んで置くのもよしかも。


シマアジのあら煮

頭部や中骨、すいた腹の骨部分を集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを取る。水分をよく切り、酒、砂糖、しょうゆでこってりと甘辛く煮たもの。酒、塩だけであっさりと煮てもおいしい。頭部の皮は厚みがあり、ゼラチン質がぷるんとして甘みがある。ご飯に合う。


シマアジの煮つけ

三枚に下ろした身を切り身にする。湯通しして冷水に取りぬめりを流す。水分をよくきり、しょうゆ、酒、みりんで比較的あっさりと煮たもの。短時間で煮たものなので味が身の奥まで浸透していないので、身をほぐして煮汁にからめながら食べる。

天然シマアジの潮汁

刺身などに下ろしたあらの部分を集める。湯通しして冷水に落として残っている鱗やぬめりなどを取る。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒、塩で味つけする。仕上げにゆずのせん切り、山椒、コショウなどを振る。天然の上物のシマアジなら思わず目が覚めるほふぉに、うまい潮汁が出来上がる。

シマアジのみそ汁(魚汁)

シマアジのあらを集めて、湯通しする。冷水に取り、残った鱗、ぬめりを流す。よく水分をきり、水から煮出して、少量の酒を加え、仕上げにみそを溶く。昆布だしを使うと一層味がよい。養殖ものなど脂が強いものに向く。また沖縄県の「がーら汁」なわけでご飯にも合う。

シマアジのフライ

皮目に風味があるので三枚に下ろして、皮付きのまま切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をからめてパン粉をつけて揚げる。揚げても身は硬く締まらず、豊潤。皮にはアジ科らしい風味があって非常に美味。

参照



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