見出し画像

【症例報告】「ランナーの股関節炎」の理学療法の評価・考察・治療!!

どうも。薬師寺です。


今回も…

以前に引き続いて、臨床の症例報告。


解剖学や運動学の知識を学ぶことも大切ですが…

実際に「機能解剖学を臨床に繋げられること」が最も重要だと思います。


ということで…

今回も症例報告をします。


前々回の症例報告コラム👇👇


今回に関しては…

「ランナーの股関節炎」の理学療法について!!


県内でも種目別では5本の指に入り、マスターズ陸上とかにも出場している趣味程度で走ってる方ではなく、ガチで陸上競技してる方です。


では、早速本題に入ってきます\(^o^)/


症例の基本情報

スクリーンショット 2020-04-05 16.57.17


50代男性。

マスターズ陸上とか出てるランナー。


毎日のランニング

股関節の痛み

半月くらい放置

歩くのも痛くて治らない

医療機関に受診


診断名としては…

大腿筋膜張筋炎でリハビリしましょう!!


って流れになりました。


本人の要望としては…

5月末からあるトラックレースに間に合わせたい!!


こういった基本情報でした。


理学療法評価・所見

スクリーンショット 2020-04-05 16.57.55

主訴としては、「痛み」なので…


まずは、、

・どこが痛いのか??
・いつから痛いのか??
・どんな動きで痛いのか??
・どの動きは痛くないのか??
・痛みの強さや種類は??

などなど…


こういう問診が、後々の答えに導いれくれます。


というより、、

身体を触る前に、こいった情報を得ておけばある程度の仮設を立てることができます。


この方に関しては…

診断名として、大腿筋膜張筋炎と診断名が付いているように…


痛みがある部位としては…

スクリーンショット 2020-04-05 17.33.07

TFLの部分に痛みがありました。

そして、、

収縮時は痛みはないが、体幹を側屈する動作や股関節内転動作などのオーバーテストをする場面。腸脛靭帯を伸長するようなストレスを加えた時に最も痛みが出る。


こういうことが理学療法評価を行う上で明確にすることが出来ました。


そして…

股関節周囲のMMTを行いましたが、大腿筋膜張筋は抵抗にも耐えられますが、中殿筋に関しては、抵抗を加えると支えきれない状態。

意外と普段から走っているから筋力あるだろうと思っても、個別で代償出ない様にした状態で評価してみたら、意外とこういうケースって多いです。


評価結果の考察

スクリーンショット 2020-04-05 16.58.42


大腿筋膜張筋に伸張ストレスが生じた時に痛みが生じるわけですが、歩行の延長がランニングなので、2足を交互に動かすことで歩行を行うことが可能です。


そこで、、

自分が毎回見ているのは、「蹴り出し脚」と「踏み出し脚」。

今回は、詳しく説明するのは割愛しますが、下記のコラムを以前執筆したので合わせて見てもらえらばと思います👇👇


今回のケースでは…

患側が「蹴り出し脚」であり、蹴り出し脚でも当然支持が出来なければいけないわけであり、蹴り出す時も腸腰筋をしっかり使って蹴り出しが行えないとTFLを代償に使いやすいわけです。


徒手療法アプローチ

スクリーンショット 2020-04-05 17.00.14


まずは…

患部の治療を行いました。

今回は、大腿筋膜張筋炎でしたが、


どの組織にも共通して、、

特定の組織に関連がある組織を把握しておくことは重要だと考えています。


実際に筋肉を直接揉みほぐすようなことをしなくても、周囲の関連がある連結組織に対してリリースなどを行う方が、大腿筋膜張筋の滑走自体も改善することが多いです。


今回のケースは…

TFLから前方にかけて付着している、大腿直筋や小殿筋に関してはアプローチを行った後の前後評価においても変化がありませんでした。


スクリーンショット 2020-04-05 18.51.26

TFLと中殿筋の間の滑走性を改善することで徒手療法においては前後での評価が著明にみられました。


前後で良くなったからといって…

これで終了してしまうと100%に近い割合で症状が戻りやすくイタチゴッコの様になってしまします。


局所の治療をした後は…

伸張ストレスがTFLに生じないような動きづくり

これを行う必要があります。


ということで…

徒手療法で終わらずに運動療法を行い、最終的にランニング動作に近づけた状態まで段階を踏んで持っていきます。


運動療法アプローチ

スクリーンショット 2020-04-05 18.37.03


実際に行った運動療法はこんな感じ👇👇



まず蹴り出し脚となっている患側ですが…

支持脚としての機能も必要なことと、臀筋群や内転筋群が明らかに使えない状態でTFLや二関節筋などに頼った動作パターンとなっていたので、しっかり股関節に乗せて支持脚としても機能するようなアプローチを行いました。


あとは、、

TFLから中殿筋や大殿筋にスイッチが入るように身体の使い方として学習してくことです。


この他にも…

動画にはありませんが…


最終的には、ランニングという立位での動作となるわけなので、立位にどんどん近い状態に繋げていき…

最終的には、走る動作に極限に近づけた運動療法なりトレーニングを行っていく必要があります。


といった感じて…

臨床の症例報告に関しても失敗談も含めてみなさんと共有していけたらと思います。


ライタープロフィール

画像8

薬師寺 偲


理学療法士のYouTube大学⬇⬇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?