1. 主語と動詞の一致

例題
Only five percent of the candidates (meets / meet) the standards of the statewide test.
(州の試験の基準を満たしている候補者は5%にすぎない。)


論点
主語と動詞の一致、というのは英文構成の基本であって、ある主語に対して、どういう動詞のカタチが対応するのか、という問題である。とは言っても、現代の英語には動詞の現在形としては、「三人称単数」なのか、それ以外か、の区別しかないから、要するに主語がheに置き換えられるかどうか、という区別の問題と言い換えられる。

これが問題になるのは、例題のように主語が数字などを含む場合や、長い主語である場合であるが、今回のように、【数量of 名詞】 が主語である場合、チェックするのは、名詞の部分になる。ここではthe candidatesがその部分である。これが複数形であれば、動詞もそのまま複数形に(つまり何もしない)、これがthe rainwaterのように単数形であれば、動詞も単数形に(つまり-sをつける)する、というのが揺るぎない規則である。

注意したいのは、five percentのfiveとかMore than a third of …(~の1/3以上)とか、そういう部分の数字は、動詞の単数・複数の決定には何も影響を及ぼさないということである。今回は、the candidatesという主語に合う動詞、meetを選択することになる。5%ではなく、80%となっても、あるいは、1/3 (one third)となっても、続くof the candidatesが複数形である限り、結果は同じである。

後ろが単数形の例としては、前述のように、80% of the rainwater flows into the river.(雨水の80%は河川に流れ込む。)となる。rainwaterが単数だから動詞はflowsとなる。最後に80であってもpercentsにならないのは、80 centimeters とは異なるpercentという語の特徴でもあることを付け加えておく。


訳出上の注意点
また、上の日本語訳に注目してもらいたい。noやonlyなどの否定語で始まる英文を日本語訳する場合、「5%だけの候補者が、州の試験の基準を満たしている。」としてもよいのだが、これを文末から日本語にして、「州の試験の基準を満たしている候補者は5%にすぎない。」としたほうが圧倒的にすわりがよいだろう。この日本語の英訳においても、その順序に注意して(つまり、Only 5%から始めて)訳出すると、英語らしい文に変換できる。日本語訳の作業が、英語表現に役立つ例の一つといえる。


発展
主語と動詞の一致については、一定のルールがあるものが多い。それらをまとめて記憶しておくことには、それなりの意義があると言える。わたしたちは、様々なものを主語にする。それはヒトかもしれないし、モノかもしれない。団体かもしれないし、構成物の全体かもしれないし、一部かもしれない。動作も主語になる。このように主語のバラエティが増えるにつれて、動詞との一致は、それだけ一層重要性を帯びることになるし、一個の問題となる。2つの例をあげておこう。

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