虹の架け橋【詩】
真昼の幻想
微かな足跡を追い
あのビルの向こうへ向かって
街路樹の間をくねくねとすり抜けて行く
虹の橋を渡る子どもたちの
くっきりとした影が
雨上がりの青空にかかる それに溶けてゆく
その外側には
ぼやけた虹の影がもう一本伸びて広がり
この甘美な時の終焉を告げているかのように
消えかかっている
走ってはいけない
急げば急ぐほど
それは直ぐに消えてしまうから
永遠に止まった時間の中で
すべてが光の粒子となって閉じ込められた空間に
スローモーションで滑り込むのがいい
目の前に続く微かな足跡を
けっして見失わないように
(20220423/私之若夜=しのわかや)
※これは以前投稿した記事の再掲です。
全体の形式を変えて改編してあります。
写真はCanvaからいただきました。