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#2 アニメが出来るまで(監督編)

こんにちは。
沼田心之介(ぬまぴー)です。
アニメ制作を生業としております。
このnoteではアニメに関する情報や制作の裏話、体験談を綴っていきたいと思います。
 
1本のアニメが完成するまでには、本当にたくさんの人が関わっています。

その中で、一般的にも浸透している職業のひとつが、アニメ監督だと思います。

かく言う僕もアニメ監督と名乗らせて頂くこともございます。ところが、大体の方から

アニメ監督ってなにするの?

と聞かれる機会が多くあります。

同じ監督でもスポーツの監督はなんとなく想像ができますよね。

選手の交代を命じたり、戦略を練ったり、テレビを見ていれば、深くはわからないかも知れませんがああ、こういうことするんだろうなーっという感じで。

また、同じ映像業界でも映画監督はアニメ監督に比べたら、なんとなく想像ができるのかも知れません。

カメラを回して、「はーいカットー!!!」と監督が叫ぶシーンなんか、イメージしやすいですよね。

特に今の時代、スマホの中で動画を撮って、編集したりすることが出来るので、誰もが映画監督の(よーな)作業ができるようになったため、身近な存在になりつつあるかもしれません。

アニメ監督も映画監督に近いところがありまして、やはり「監督」なので、全般にわたる作業のクオリティを管理するのが仕事です。

作品によっても関わり方が違うので一概にこうと決まっていませんが、オリジナルであれば、一から世界観を決めていきます。と言っても現在は原作ものが多いので、原作の世界観を理解し、アニメではどう表現するかを考えます。

原作者と会って、どういう方向性にするかを決めていきます。
ここは原作者さんによっては自分の世界観をそのままアニメにしてほしい方、アニメになるだけで嬉しいので、監督にお任せしますとする方や、アニメは別物なので、自分とは違ったものが生まれるのを楽しむタイプの方など様々。

そこからは脚本家さんとの二人三脚で物語を構築していきます。

そして、脚本が上がった段階で、絵コンテ作業に入ります。

絵コンテは監督自身が描く場合とコンテマンに依頼する場合があります。

一般的にはわかりづらい部分があって、監督とは別に演出と呼ばれる職種があって、コンテ、演出を担当したりするのですが、演出に関してはまた別の機会で記します。

上がってきたコンテをチェックし、修正、演出さんと打ち合わせして、作画に入っていきます。作画出身の監督さんはそこでも自分で描いたり、修正したりします。

その後も美術、背景さんと打ち合わせをしたり、色彩を決めたりと、基本的にありとあらゆるもののチェックをしていきます。

最終的には音響制作に関して、音響監督とともに仕上げていきます。

監督って大変ですね。

まぁでも、作品の責任者ですから、作品の評価に直結するわけで、賞賛されたり、批判されたり、とてもやりがいのあるお仕事だと思います。

ちなみに僕の師匠にあたる杉井ギサブローさんに教わった監督の仕事は、

クリエイターに種を植えること

ということでした。
自分の世界観を提示するのではなく、いろんなアイデアの種を蒔き、クリエイターの想像力を膨らませるのです。

もちろん監督感は人それぞれなので、どれが正しいとかはありませんが、自分はそうありたいと思うのでした。

アニメ業界に足を踏み入れたら一度は監督を目指してみたいものです。

監督王に俺はなる!

#アニメ #アニメ監督 #お仕事紹介

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