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自分が大ちゃんになりそうなときは、高梨太郎を探せ

SHIROBAKO Advent Calendar 2021 の20日目です。


SHIROBAKOのTVシリーズ後半クールにおける、ヘイトが集まるキャラクターの一人平岡大輔。

平岡大輔に関するおさらい

TVシリーズの中で、彼はムサニに中途入社した直後から適当な仕事を続けて、周りから不信感を買い、大喧嘩へとつながっていく。しかしその行動は過去の仕事による辛さから出てくるものだった。その過去のエピソードを聞いた同僚の高梨太郎は「大ちゃんは悪くない」と慰められ、宮守にも引き止められ、態度を改めていく…

環境が彼を変えてしまった

もともと志が高く、夢を抱いて仕事を始めた平岡だったが、彼が入った会社や周りの人間は仕事に対しての態度が悪く、彼自身もそれをこなす中で「雑にこなしていく」というスタイルになっていく。いわゆる「夢を大きく持った新社会人が擦れていく」という形の最悪の形。

この「新社会人が会社に入って現実を知る」というのはSHIROBAKOの主人公である宮守もそうなのだが、宮守は擦れずに現実だけを知っていく。彼と彼女の大きな違いは何なのか。それは『環境』であると思われる。

宮守が入社したムサニは宮森自身にアニメ制作は楽しい事ばかりではないという「現実」を見せたが、彼女の胸に秘めたる夢を崩すことなく彼女を成長させていった、しかし平岡が身をおいた環境は「現実」を見せ夢を壊すには充分すぎるぐらいただただ仕事をするだけの人たちの環境だった。

誰しもが平岡大輔になり得る

フィクションだけの世界の話、と思うようなところもありつつも、この平岡大輔のようにくじける現象は社会人をやっていたら誰しもが遭遇しうる現象だと思う。あるあるなのは「新卒が入った会社に夢砕かれて絶望する」だったりするが「新しい環境に身をおいて絶望する」というのもあると思う。それぐらい相対する人、相対するチーム、相対する組織によって強く持ち続けるべきだった思いを壊され、自身を引っ張ってきたものがわからなくなるということはある。誰しもが平岡大輔のようにくじけることはあり得るのだと思う。

環境を変えるのがベストだけど、そうじゃないときは

このようなとき、だいたいは「環境を変えろ」と思うし、たぶんそれが正解ではあるとは思うのだが、環境を変えることはそんなに容易いことではない。であればどうするべきか、そんなときに思うのはあの日高屋で過去の苦労場橋を聞いて情熱を持っていたころの自分をバカだと言う平岡を「大ちゃんは悪くない」と叫んでくれる高梨太郎ではないかと思う。

こんなふうに書くと突拍子もないが、環境を変えられないのであれば本人の信念を思い出させてくれたり、その思いに共感してくれる人が周りに一人いるだけでも絶望せずに過ごすことができるんじゃないかもしれないし、もしそういう人がいないときは自分の心の中に高梨太郎を探すといいのかもしれない。自分を自分で肯定することで前にすすめることもあると思う。

書いている自分自身も、夢を抱いて入った環境に絶望やもう嫌だというタイミングはすごくある。だがそんなときに思いを肯定してくれる人がいるだけで、本当に違うし、そうではないときは自分で自分を肯定することが自分の気をしっかり保ちながら前に進むための秘訣なのではないかなと思っている。

劇場版のふたりをみると、そう思う。

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