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人はみんな平等?  新見正則

首相秘書官のニュース、見た?

首相秘書官がLGBT(性的少数者)への差別発言を行い、
首相は早速彼を更迭し
そして謝罪会見を行いました。

属する環境によって考え方が決まる

ある特定の人や集団に対して
自然と差別的感情を持つことは
致し方ないことと思っています。
ある属性の人に差別的感情を持っている家庭や
集団や社会で育てばそうなります。
また、SNSなどでいろいろと
極端な情報に触れる機会が多い最近では
ある属性の人に差別的感情が生まれることもあるでしょう。

だからこそ日本国憲法第14条は
「すべて国民は、法の下に平等であつて、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、
差別されない」と謳っているのだと思います。

人類皆平等と謳うのは、差別があるから。

小学校などで
「○○ちゃんを仲間はずれにしてはダメでしょう!
人は平等なんだから」と諭しても、
ある要素で集団から外れている子に対し
差別的感情が生まれるのは自然のことです。

特に人種として均一に近い日本では
差別的感情が生まれやすいのではと思います。
だからこそ、いろいろな人がいるからこそ、
人は皆平等と謳う必要があるのです。

自分とは異なる人を受け容れる寛容さが必要と思っています。

差別が差別を生む

僕の子どもの頃は外国の人はまれでした。
ある時、小学校から自転車で
ちょっと行くと米軍基地があり、
そこの空き地で遊んでいると
米軍の軍人さんが声を掛けてくれて、
ガムやコーラをもらったりしました。

白人の人の黒人の人もいて、
とってもびっくりして、
でもとっても嬉しかった思い出があります。
黄色人種の日本人しか知らなかった僕には
ちょっと実際に接する外国人は衝撃でした。

その後、すこし高学年になって
黄色人種でも
中国や台湾、韓国、朝鮮の人が
日本で暮らしているということに
気がつきました。
かれらに自然と差別的な感情を
抱いたこともありましたが
友だちの中に実は彼らがいることを知ると
そんな差別的感情はなくなりました。
いろいろな人がいるんだと腑に落ちたからです。

いろいろな人がいる。その何が問題なの?

LGBTの方に対して特別な感情は昔はありませんでした。
僕にはLGBTの方の存在が自分事として理解できなかったからです。
1993年からイギリスに5年間留学しましたが、
ロンドンのコンサートホールのトイレに
「UNISEX」という掲示があって
すごく身近にそんな人がいるのだと気がつきました。

そして、オックスフォード大学にも
LGBTの方がいました。
医師の仕事をするようになって
患者さんにもLGBTの人がいることを知り
また同僚にもLGBTを公言する人がいました。
そして自然と彼らに寛容になりました。
寛容というか「なにが問題なの?」と思える自然な自分がいます。

自分ごととして想像する力、世界を捉える力

僕が思っていることは、
ほかにもいろいろ差別的感情が芽吹くのは
当たり前のことで、
だからこそ、人は差別されてはいけないと
強く念じる心が必要なのです。

そしてそんな差別的感情を控える努力が必要です。
今回の首相秘書官であった方の発言は残念です。
なぜならそんな人の上に立つ人達こそ、
差別的感情を控える努力が必須だからです。

約束破りは絶交でしょ

今回の発言はオフレコの取材を毎日新聞社がリークしました。
僕は毎日新聞が行ったことの是非は問いません。
オフレコには「完オフ」と「匿名報道」があるそうです。
「完オフ」とは名前と発言内容をすべて非公表とするもの、
「匿名報道」は情報提供者の名前を伏せて内容だけ公表するものです。
今回は敢えて匿名を外しての公表です。

でも、今回のオフレコ破りは今後の取材に影響がするかもしれません。
「約束は守りなさい」と子どもに語ってきた親としてそう思っています。


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