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不都合な事実を隠さない  新見正則

東洋医学会で講演しました

第74回東洋医学会総会でのミニシンポジウム「漢方講演で伝えたいこと、その工夫」に登壇し、「不都合な事実を隠さない」と題して講演を行いました。

学会から依頼による講演でしたから、好きなタイトルで、好みの方法で(スライドなしで)講演をしました。結構好評でした。5人が8分の講演時間でそれぞれ話し、残りの30分が質疑応答です。とくに事前打ち合わせを行わず、始まる直前に8分の講演時間の厳守だけを決めて、それぞれが臨みました。

製薬業界には不都合な事実が少なくありません。特に漢方薬では不都合な事実が多すぎるのです。それを隠さずに講演したほうが、背伸びをして素晴らしさを語るよりもずっと漢方好きになってもらえるのでは、という趣旨で発表しました。

漢方の不都合な事実

1, 保険適用漢方エキス製剤は臨床試験を経ることなく超法規的に保険収載された
2,西洋薬のようなランダム化された大規模臨床試験はごくわずかである
3,ガイドラインに載るようになったが、推奨度が高くないものがほとんど
4,生薬にはばらつきがある。有効成分は不明のものが多い。指標成分のみ
5, 製薬メーカーが異なると、同一処方名でも実は同じではない
6, 医療用漢方製剤と一般用漢方製剤は製薬メーカーが同じなら同一
7,現代の生薬と過去の歴史的な生薬は異なると考えることが自然
8,昔の書籍に処方の根拠を求めることはナンセンス(せめてヒント)
9,日本漢方(和漢)の方症相対は薬能を語っていないので、フローチャートに似ている
10,一方で中医学の弁証論治は薬能を精一杯語っている
11,COI(利益相反)は堂々と開示すべき(お金の授受のことです)
12,製薬メーカーには自主規制があるので、自由に発言したければ講演料なしで
13,漢方エキス製剤は生薬の加減ができないので漢方薬の進歩の終焉の始まり

そんなことを短い8分間で語りました。それぞれの演者も講演時間を守ったので、30分のディスカッションの時間があり、相当盛り上がりました。

不都合な事実と有用性は別

不都合な事実が多い漢方薬ですが、臨床の潤滑油としては本当に貴重なものです。ブラックボックスの中身を懸命に語り尽くす中医学の弁証論治に惹かれますが、中医学教育の5年間を日本の西洋医が片手間に学ぶことは不可能と感じています。現状、中医学をフローチャートにすることは無理と思われます。

ところが、和漢はブラックボックスを語ることを避けて方症相対という道を選んだので、本当にフローチャート向きです。

僕達のフローチャート漢方薬シリーズを是非とも西洋医の先生はご利用ください。そして、不都合な事実が多くても、漢方は臨床に役に立つことを実感してください。

隠さずに堂々と語ればどうってことはない

さて、不都合な事実はだれにでもあることでしょう。それを墓場まで隠し通せれば、それもOKです。一方ですでに世の中に知られていることは、ネットがこれほど普及した現代で隠し続けることは困難です。

東京都知事選は現職の小池百合子さんと、蓮舫さんの対決になりそうです。小池百合子さんの不都合な事実は、学歴詐称が囁かれていますね。カイロ大学の卒業証書は存在するそうですが、本当にカイロ大学で勉強したのかが焦点です(当時のエジプトなら卒業証書はお金で買える?)。
一方、蓮舫さんは台湾国籍であったことです。

僕はそんな不都合な事実もあえて公にして、小池百合子さんは大学で勉強はしていないから高卒として、そして蓮舫さんは台湾国籍の女性が日本に帰化したと堂々と語ってもらいたいと思っています。

高卒の人が都知事になる、日本に帰化した人が都知事になる、どちらもこれから多様性社会になる日本の首都のトップにはピッタリと思います。


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