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GWお疲れ様でした  新見正則

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしですか

今年のゴールデンウィークは前半の3連休、そして後半の4連休です。新見正則医院の仕事は暦通りでしたが、最近は遠隔診療がほとんどで、患者さんは全国の方です。9割ががんの患者さん、そして1割が難症の方です。

当院で加療中の方はいつでも(365日、24時間)電話で相談可能ですから、ゴールデンウィークと言っても、問い合わせはボツボツありました。しかし、久しぶりにノンビリしました。特段遠方に出かけることもなく、都内の観光地を訪れる訳でもなく、でもゴールデンウィークを堪能しました。

僕は「SHOGUN 将軍」を観て過ごしました

 知り合いの俳優さんが出演している「SHOGUN 将軍」というハリウッドのドラマを一気に見ました。約1時間が1話で、合計10話で構成されるドラマです。ディズニープラスで独占配信ということで、なかなか時間を作れない中、その知り合いの俳優さんからディズニープラスの無料視聴ギフト券を頂き、ゴールデンウィークに一気に数日掛けて、見終わりました。とってもよかったですよ。

ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説を原作としたドラマです。関ヶ原までの経緯を描いていますが、歴史に完璧に忠実ではないものの、実在の徳川家康や石田三成らをモデルとして天下獲りに向けての策略と陰謀を描いた壮大なドラマです。そこに漂着した英国人航海士の按針が登場します。

敢えて希望を言えば、関ヶ原の戦そのものと、大阪冬の陣と夏の陣を含めたその後も描いてほしかったと思います。(続編があるのかな?)

人との出会いと運

 この乱世を描いたドラマを観ていても、また実際の史実でも、一番大切なのは「運」だと思いました。そして助けてくれる「人」です。

当院の患者さんの大多数はがんを患っておられます。患者さんには生存率が向上することをいろいろご説明しますが、最後は「運」に左右されます。多くの患者さんにとって利益があると思われる治療を選択しても不幸になることもあれば、医療サイドの意見に従わずに生きて、長生きすることもあります。 

運が悪ければ残念なこともある

医療サイドは多くの患者さんの結果からベストな、またはベターな作戦を提示しますが、100%正解ということはほぼありません。固形がんは手術ができれば基本的に手術が選択されますが、運が悪ければ、その手術の合併症で死亡することもあります。そんな1例を引き合いにだされて、「医者に行けば殺される」といった論調も稀に目に留まります。それは運が悪いからなのです。

治療の選択に100%はありません

 治療法の選択肢は野球の試合に似ていると説明しています。医療サイドは1年間百数十試合を戦って、勝率がよい作戦を提示します。しかし、患者さんは今の自分の試合の勝ち負けを知りたいのです。勝率100%の戦術がないのが現状です。1年間を通して勝率が高い作戦を提示する医療サイドと、今の試合を勝ちたい患者さんの意見や希望の平行線を解っている医師が必要なのです。

細部まで相談にのってくれる医師はいますか?

野球の試合で多数のデータから得られる戦術は、医療サイドでは1,000例規模のランダム化された大規模臨床試験と同じです。それが勝ち筋なのです。

さらに大切なことはデータに明確にでていないことでも、良さそうと感じるものは足し合わせることです。それを僕は「些細なこと」と呼んでいます。些細なことにまで気を配ってくれる医師とのご縁も実は超大切と思っています。
 
ドラマ「SHOGUN 将軍」を観ながら、人生は「運」と助けてくれる「人」だとまたまた腑に落ちてしまいました。それはがんを含めた病気の治療にも通じることです。


 


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