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「抗がんエビデンスを得た生薬フアイア」紹介します  新見正則


僕の専門は移植免疫学

1993年から1998年までオックスフォード大学博士課程で移植免疫学を学びました。そして帰国し、たくさんの手術をやろうと思っていた矢先に、自分の専門領域であった動脈外科に「待った」がかかりました。当時はナンバー外科で僕は第一外科でしたが、第二外科に動脈外科があったのです。そこで致し方なく静脈外科とセカンドオピニオンを始めました。

セカンドオピニオンをやってわかったこと

僕が始めた大学病院での保険医療で行う、本邦初のセカンドオピニオン外来は、たくさんのメディアに紹介されました。

たくさんの患者さんが来られ、お一人1時間ずつお話を伺いました。
そして毎週10人近くの患者さんにセカンドオピニオンを行いました。
そこでわかったことは、西洋医学では正しい医療が行われているのに満足していない患者さんが多数いることでした。

何とかしなきゃと思って始めた漢方

そこで、当時はまったく興味がなかった漢方を使い始めました。興味がないというか、エビデンスがなく、作用機序にサイエンスがなく、相当怪しいと当時は直観で思っていたのです。

漢方は保険適応。医師なら誰でも処方できる

その僕が漢方を使い始めた理由は簡単で、保険適用として利用できるからでした。しかし保険適用薬に求められる大規模臨床試験を漢方は行っていません。歴史的に有益であるという理由かと思っています。

漢方を使って初めてわかったこと

そんな保険適用の漢方薬を使い始めて、なんとその有用性に気がつきました。
たしかに効く人が少なからずいます。そして時間稼ぎの道具としては最良です。
気長に処方すると確かに体質改善的によくなることが多いのです。

そこで、西洋医が気軽に漢方を使うことが、患者さんの役に立つと思い、難しい漢方理論や漢方診療をおこなわなくても、処方可能な方法をモダン・カンポウと称して啓蒙してきました。そして、たくさんの書籍を新興医学出版社より出版させて頂いています。

ともかくこの2冊で基本をカバー

興味がある医師の方で、さっと勉強するなら「本当に明日から使える漢方薬―7時間速習入門コース」をお読み下さい。西洋医の先生でもスラスラ読めます。
また、すぐに漢方薬を処方したいなら「フローチャート漢方薬治療」を参照してどんどんと処方して下さい。

フアイアとの出会い

そんな明らかなエビデンスがないが経験的に素晴らしい効果を有する漢方薬の西洋医への啓蒙を行ってきた僕が、なんと明らかな抗がんエビデンスを有する生薬に出会ったのです。

生薬フアイアに抗がんエビデンスが認められた

正確に言うと、以前から生薬として使っていたものが2018年に明らかな抗がんエビデンスを獲得したのです。その結果は英文誌GUTに掲載されました。その名前はフアイアといいます。中国では抗がん新薬として認可されていますが、本邦では健康食品扱いです。

1,000名規模の臨床試験をクリア

この生薬フアイアは、肝臓がん手術後の患者さん約1,000人にくじ引きで投与群と非投与群に分けて、そして生存率で統計的有意差を得ました。

漢方薬や生薬で、エンドポイントを生存率にして勝ち抜いた大規模臨床試験を僕は知りません。そして副作用が大量投与の時の下痢のみなのです。

大規模臨床試験に耐えられる生薬

大規模臨床試験は、現在はあらかじめ登録しないと一流雑誌にはアクセプトされません。ですから、どんな大規模臨床試験が進行中かは誰もが知ることができます。フアイアはいろいろながんに対する大規模臨床試験が現在、進行中なのです。

漢方薬や生薬、そして健康食品などを含めた他の補完代替医療が将来、抗がんエビデンスを獲得する可能性はあります。それは2018年以前のフアイアと同じ状況です。僕が保険適用としてがん患者さんに使用している補中益気湯㊶や十全大補湯㊽の大規模臨床試験が始まればいいなと思っています。

フアイアの詳細をわかりやすく

そんなフアイアの魅力を精一杯語った書籍が今回の「抗がんエビデンスを得た生薬フアイア」です。医師はもちろん、一般の方にもわかりやすく記載しました。興味のある方はぜひお読み下さい。


フアイアへの質問、受付中

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