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お風呂掃除をしながら考えたこと  新見正則

夫婦2人と愛犬で再スタート

4月からわが家では娘が巣立ち、夫婦2人と老犬(ビションフリーゼ)の新生活が始まっています。その変化の新生活のひとつが、僕がお風呂掃除をすることです。これが結構ハマるのです。

めちゃくちゃめんどくさいお風呂掃除

毎日やることは、目に見える範囲、つまりバスタブと洗い場、お風呂の蓋の掃除ですが、週に1回ぐらいは、バスタブのサイドパネルを外して掃除をします。
そして、月に1回ぐらいはサイドパネルの奥まで綺麗にします。
ところが、家のマンションのバスタブは奥の掃除がやりにくいのです。

オックスフォードに住んでいたときのバスタブは猫足のバスタブでした。
そしてバスルームには、トイレや洗面所も付いていて、なんと6畳ぐらいの大きさがありました。欧米ではバスタブの外で体を洗う習慣がないので、バスタブだけを洗えばおしまいです。

わが家のマンションのバスタブは綺麗ですが、バスタブの栓を抜いたお湯もバスタブの下に流れ込み、洗い場で洗った水もバスタブの下に流れ込む構造です。
バスタブの下を洗浄する必要がありますが、極めて洗いにくい構造なのです。

いっそ内視鏡で

僕は昔、内視鏡の検査をたくさん行っていました。ですから、いっそ内視鏡をバスタブの裏側に入れて、くまなく観察して、すべて綺麗にしたくなりますよ。

今は、なんとかシャワーを伸ばして水圧で洗い流していますが、直接見えないので、適当に勘で掃除しています。屋外で使うような高圧洗浄機をお風呂に持ち込みたくなります。凝り性の僕は、隅々まで綺麗に仕上げたい衝動に毎回駆られます。

このバスタブが悪い!って思います

洗うことまで考えていないバスタブの構造に問題があるのです。
バスタブごと交換したくなりますが、浴室をまるまる交換することになります。
住人が一人減ったわが家でもありますし、無駄な支出のような気がします。
そこで今のわが家のバスタブの下をいかに綺麗にするかが僕の悩みです。

長年こびりついていた汚れの塊が目の前に現れたときの達成感と満足感は素晴らしいですよ。でも、目に見える範囲を綺麗にしても、異臭が抜けません。バスタブのサイドパネルを外して精一杯の掃除をすると嫌な臭いがまったくなくなります。

これは健康管理にも通じているように思えるのです。

検査結果がよくなれば、それで本当にOKか?

以前の僕は検査で異常がある数値を正常に戻す努力をしていました。
血圧が高ければ降圧剤で下げる、鉄欠乏があれば鉄剤で補う、
血糖が高ければ、コレステロールが高ければ、尿酸が高ければ、
それぞれ下げる薬剤を使用する。
目の前の数字を正常に戻す努力をしていました。
もちろんそれは大切なことですが、実は異常値には理由があるのです。

わが家のお風呂に喩えれば、目に見えないバスタブの裏の汚れがこびりついています。つまり健康管理も同じです。こびりついた汚れをしっかり掃除をする。そして汚れがこびりつかないような構造のバスタブにすることが肝要なのです。

いまある症状を治す。症状の原因を治す。

漢方では標治と本治といいます。標治とはいまある症状を治すことで、本治とはその症状の原因になっている体質を変えることです。標治を否定しているのではありません。標治の治療を行っても、何度も再発するときには、本治、つまり体質の改善が必須なのです。

難病、難症の患者さんには時間をかけて

最近の僕の外来には難病・難症という患者さんが多数みえます。いろいろな医療機関にかかっても治らない人や、一時的に治ってもすぐに再発する人たちです。そんな人たちには体質改善の指導をします。「ちょっと時間がかかりますが、1年から2年は騙されたと思って、信じてついてきて下さい」とお願いします。

体質改善がうまくいくと、以前に効かなかった薬剤、効いてもすぐに再発した薬剤で長く続いている症状が軽快することが多々あります。

人の健康管理もお風呂掃除と似ているなと思っている今日この頃でした。



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