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大躍進のパリオリンピック閉会!  新見正則

日本はスポーツで強くなった!

パリオリンピックは、テロなどで死傷者がでることもなく無事に、閉幕しました。今回のオリンピックは他国開催としては最大のメダル数で、金メダル数も最高だったそうです。日本選手団は素晴らしい活躍ですね。

僕が子どもだった昭和時代は、日本人は体力的にも技術的にも劣っていました。ところが今回のオリンピックで、いろいろな分野でメダルを獲得する姿をみると、スポーツ界における超速の進歩を感じます。

 実のところ、昔は子どものプレーのようでした

僕は1993年の夏に渡英しました。当時は水戸の病院に勤務していて、ちょうどJリーグの開幕の年で、鹿島からわざわざ通院してくれていた患者さんが複数いて、彼らから是非鹿島アントラーズを応援してほしいと懇願されていました。そこで、Jリーグが始まる1993年5月前の、練習試合を何度も、そして開幕後は本番の試合をカシマサッカースタジアムで観ました。

当時、ブラジルの英雄であったジーコが現役復帰して鹿島アントラーズを率いていました。そしてもう一人のブラジル人、アルシンドという選手がいました。彼らのプレーを間近で見ると、周囲の日本人のプレーがまるで子どものサッカーのように見えました。そんな日本のレベルがこの30年で、相当向上したことは間違いないでしょう。近い将来日本の男子サッカーがメダル争いをする姿を見たいものです。

 みんなの道標になった選手

英国留学中の1995年に野茂英雄さんがMLB(アメリカメジャーリーグ)を活躍の場に選んだとの報道を目にして、日本人が活躍できるのだろうかと率直に思いました。ところが、彼は大活躍して、その後の日本人メジャーリーガーの道標になりました。その後、何人もの日本人大リーガーが誕生しました。そして、まさかメジャーリーグでベーブルース以来の投手と打者の二刀流をやり遂げるプレーヤーが日本人から出るとは誰も思っていませんでした。その大谷翔平選手は今年は3冠王も視野に入れた大活躍です。

経済はレベルダウン中 

スポーツ界では着々と世界のレベルを目指して進歩し、実際に追いつき、また追い越している人もいる中で、日本の経済は相当レベルダウンです。この30年間で、GDPが増加していないのは、先進国では日本だけです。30年前にアメリカに次いで世界2位であった日本ですが、今や中国には遙か昔に抜かれ、ドイツにも抜かれ、今や4位です。5位のインドに抜かれるのも時間の問題でしょう。そして一人あたりのGDPは30位後半です。この30年間のスポーツ界の躍進と比べると、情けない限りです。

 医療費も大幅増額して躍進すべし

先日、本田宏先生と「医師不足vs医師偏在」というテーマで対談をしました。

本田先生は国が補助する医療費を大幅に上げて、そして医師を増やし、医療を国の成長産業にするというご意見でしたが、僕には対談終了後も応援はするけれども大賛成はできないという思いが残りました。現在の国力で、国の負担となる医療費を大幅増額可能なストーリーが僕には描けないからです。

まずは、医師を増やすよりも、勤務医の不足を補う作戦が最優先と思えます。もしも、医師を増やすのであれば、是非国立大学の医学部を増やしてもらいたいと思っています。私学の医学部を増やしても、開業医のご子息が既得権益維持のために医学部に進むシステムを打破できないからです。医学研究の発展を担う医師の養成も急務です。

 医学研究も医療者も、ガンバレ!

医学を含めてサイエンスの分野では諸外国に比べて最近は論文数が激減しています。このままでは世界のトップクラスから研究分野が取り残されるように思えます。僕にはスポーツ界だけが上手くいっているように思えるパリオリンピックでした。

 

 

 

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