見出し画像

きっかけはピンクサファイア

人も宝石も「出会い」が大切だと思います。
出会えたことに感謝できるような。

宝石の勉強や仕事をするようになって、
いろいろな人との出会いがありました。

この指輪のピンクは、
10年以上前に
宝石のルース(裸石)市場がある
ベルワラ(スリランカ)で購入した
ピンクサファイアです。

ベルワラで宝石売買に携わる人は
皆がモスリム。
仏教徒の多いスリランカで、
宝石鉱山を持つ人の大半は
仏教徒のシンハラ人です。

ここでは観光客も購入出来ますが、
ディーラー同士の 売買が主流で、
お店ではなく事務所で取引がされます。

売る側のルールは上下とも白い服装。
そして皆さん宗教上の髭ズラ。
慣れないと皆同じに見えてしまう。

だから
誰からこのピンクサファイアを購入したか、
全く記憶に残っていませんでした。

それから半年くらいして、

ロンドンで、
英国宝石学協会の学会に出席していた
唯一のスリランカ人に会った時、

私もスリランカに住んでるだよー
と自己紹介したら、

あー、

君のこと覚えてるよ。
ベルワラでカボションの
ピンクサファイア買ったでしょう?
あれ、僕が売ったんだよ。

えー?
それってこれ?

私は、
右手の中指にはめていた指輪を見せる。

何という偶然!

まさかロンドンで売り手に再会するなんて!
これって運命?

えー、必然?

それから

彼と私が、

恋に落ちるのに

さほど

時間はかからなかった………、

と言う展開は

ハーレクインの世界だけで、
現実には起きません。
(あー、残念😅当時相手は23歳)

でも
私たちの間には友情が芽生えました。

それから、
珍しい大きさのサファイアや宝石が
入手されると見せてもらったり、

ベルワラに行く度に

彼の事務所で買付させてもらい
その後はご自宅でカレー三昧

と言う
ごきげん満腹コース。

ご家族は、
家の主人であるお父さんを中心に
息子たちが手伝うという宝石ビジネスを
代々されていて、

お母さんと娘たちは家事をして家を守る

と言う
典型的なモスリム家族。

私も何度か
娘も連れて行って、
互いに家族ぐるみの付き合いです。

ある日、
彼が、

照れながら、
(//∇//)

今年の秋に結婚することになったんだ。
彼女に今から電話するから、
喋ってみて〜。
(//∇//)

へ?
喋るって何を?

モスリムなので結婚は親同士のアレンジ。
結婚するまで二人だけで会うことはなく、
会う時には相手側の姉妹が同伴。

だから婚約期間中は、
毎日、
時間があれば、
電話で話しをするんだと。へぇ〜。

えーと、
ご婚約おめでとう!
あなたのフィアンセは正直者で、
本当に良い人ですね。

てなことを私は彼女に伝え、
電話が終わると、

どうだった?
(//∇//)

は?
どうって、?

えーと、
声が優しい感じで可愛いね。

無難なことしか言えないワタクシ(°▽°)

それでも
彼は大いに納得して喜んでました。

あー、
オトコも、
恋すると、
アホズラになるのねー。( ̄▽ ̄)

この指輪を見る度、
小さなピンクが呼び込んだ出会いに
ありがとう〜と思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?