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鉄則3 :ビジョン(経営方針)に魂を吹き込む

(ⅰ)ビジョンは“決め手”を踏まえて策定せよ
(ⅱ)ビジョンを実現する行動指針を明確にせよ
(ⅲ)ビジョンと行動指針を社内外に公表せよ

(ⅰ)ビジョンは“決め手”を踏まえて策定せよ

■ 必要十分条件は“対4Cの決め手”と“社員の共感

国の内外を問わず多くの企業で自社のホームページ上にビジョンを公開しています。
社外の人間でも公開されているビジョンを見れば、その企業の経営レベルがある程度判断できます。
経営が機能している企業のビジョンは、
①4C(社員の全接点:お客様、取引先、社内メンバー、市民)ごとに“決め手”を踏まえてビジョンを策定しています(ビジョンの必要条件)。

さらに優れた企業では(ここは社外の人間には見えませんが)、
②そのビジョンが、社員の“共感”を得ています(ビジョンの十分条件)。

しかし残念なことに、多くの経営者はこの「ビジョンの重要性」に気付いていません。
「ビジョンの重要性」を視覚化したのが下段  図表3-1です。
★ビジョンAは、①②のどちらか、或いは両方が備わっていないビジョン
★ビジョンBは、①②とも備えているビジョン

図表3-1【ビジョンA と ビジョンB】

■ 4Cの琴線に触れる要因を突き詰める

私が実際に携わった大手住宅メーカーを例に見てみましょう。
下段  図表3-2の上段は、その会社が公開していた当初のビジョンです。

「顧客だけに焦点を当てている」「顧客の琴線に触れる“決め手”が感じられない」ことが分かります。

その下に、「顧客が住宅購入する際、この会社に決めた“決め手”」は何だったのか? 私が調査した結果の一部を記載しました。

上段の“ビジョン”と下段の“決め手”を見比べてください。

図表3-2【ビジョン と 決め手】

多額のコストを掛けずとも、少しの心構えや配慮や気配りで、4Cの琴線に   触れることが出来る要因は何か?
期待を裏切る嬉しい驚きの提供で、4Cの琴線に触れる要因は何か?

そうしたポイントを究極まで詰めらるか否かで“決め手”の質が決まります。

「お客様第一主義」では、社員もお客様も行動変容を起こしません。

“決め手”を突き詰め、社員の“共感”を得る
これがビジョン策定の鉄則です。

(ⅱ)ビジョンを実現する行動指針を明確にせよ

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