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元芸者見習いが救われた意外にも健全な近代文学!



この囲炉裏ちゃぶ台を挟んだ男と女の間柄に憧れまして私が芸者になったのも一体どうしたご縁からでございましたかしら。

芸者モノと言えば映画では「日本橋」の お幸さん 淡島千景と、山本富士子でしょう。こんなちゃぶ台シーンがよくでてきます。いや、ほぼこのシーンしかないです笑。ここでサラサラ~っとお茶漬け食べたり、たいそうな金額のお金のやりとりを領収書無しで取り交わしたり、、、。

それから憧れるのは、幸田文原作「流れる」の栗島すみ子と、山田五十鈴。思わず、「先生!」と言いたくなるような厳しく美しい先輩方のオンパレードな映画です。
そして溝口の「祇園囃子」の木暮実千代と、若尾文子の年の差の女の友情が私は一等大好きです。

「夫婦善哉」も、森繁久弥の高級ダメンズぶりを淡島千景さんがフォローしてて最高で捨てがたいんですが・・・。

そんな、華やかでどろどろとして、まぶしい世界で私は、お支度をし、とうとう初日の心の準備してお客様からの最初の一言をお待ちしていたのです。

「清?そんな名前の女が、たしか『坊ちゃん』に出てたなぁ。」


私の源氏名になんと聞き覚えがあるみたい。
え?!意外にもお座敷で健全なタイトルが出てきました。

坊ちゃん?!!!


坊ちゃんなんて私、3ページくらいで読めなかったよ!(^▽^)!

だけど、ギリで「清」という名の女性が出てきたところまでは、運良く読んでいました!

「ああ!あのお手伝いさんの清ですね!!!うふふ(^▽^)!」


便乗!
清という名前のみに!!!笑

当たった!

一か八かのとっさの受け答えで専属のお茶屋さんが出来たのです。

初めてのお客様が、坊ちゃん好きで、私の源氏名を気に入ってくれたから、

私はしばらく、この界隈に居させてもらえたんですわ・・・。

だけど、この後、現実ではあんまり色っぽくないとんでもないことになるんですけど、、、

( 墨東キ譚編でここにも少し書いてます!→ https://shimirubon.jp/reviews/1672488  )


投稿日 2016.08.22 

※この記事は、実体験を元にして2016.08.22にシミルボンという
書評サイトで書いたものです。一部、加筆、再編集して転載しました。
元記事は下記です。こちらは今年10月1日でサービス終了になります。
https://shimirubon.jp/columns/1673861



面白いことを思いついたら全部、やっていこうと思っています。あなた様のお役に立てれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。真珠子より