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ラジオと読書日記#6|10/13〜10/15

10/13
今日のアニミズム、読了。当たり前のように、意味がわからなかった。感想を人に説明できないレベルで、意味がわからなかった。なのに、面白いと思った。大学院生の頃、サピエンス全史を貪るように読んだ時並に、意味がわからないまま、「でもきっとこの筆者的なロジックは通っているんだ」という絶大な信頼のもと、文字だけなぞって、ところどころに意味のわかる一文を見つけて悦に浸る遊びのような読み方だった・・笑

日常的な身のまわりの風景の中にある、有限でもあり無限でもあり、無限でもあり有限でもある時空が、アニミズムだということである

因果なき世界と因果から成る世界、無限の世界と有限の世界との出会いの瞬間における、言語以前ないしは反省以前の剥き出しの感動や驚き・から立ち上がってくる経験として理解されるべきなのである

後者の部分については、牛肉と馬鈴薯で、国木田独歩が似たようなことを言っていた。

「吃驚(びっくり)したいというのが僕の願なんです」
「宇宙の不思議を知りたいという願ではない、不思議なる宇宙を驚きたいという願です!」

世界十幾億万人の中、平気な人でないものが幾人ありましょうか、詩人、哲学者、科学者、宗教家、学者でも、政治家でも、大概は皆な平気で理屈を言ったり、悟り顔をしたり、泣いたりして居るのです。

現実主義的な考えを牛肉に、理想主義的な考えを馬鈴薯にたとえて議論する場面。国木田はそのどちらでもなく、ただ現象に驚いていたいと。「純粋な人だなぁ」と思った記憶がある。「自分の感覚を無視せず生きたいってことなのかな?」と。これは、今考えると、めちゃくちゃアニミズム的なんじゃないか。

(牛肉と馬鈴薯のGoogleサジェストに、「牛肉と馬鈴薯 分析」と出てきた。分析結果が気になる文学とか、魅力的すぎないか。)上位表示されていた、立命館大学元教授の芦谷信和さん著、『濁歩の「牛肉と馬鈴薯」l特に「驚異」について』でも、同じようなことが書かれている。

独歩の内部には早くから浪漫的な一面と現実的な一面とが共存していた。
彼の内部にはすでにこの相対的な両面の素質が用意されていたのである。

くはぁ、アニミズムっぽ!!!!!!!!

10/14
濁歩の「牛肉と馬鈴薯」l特に「驚異」について』を読み進めると、国木田独歩について、初見の情報がたくさん出てきた。

独歩はキリスト教や文学に浪漫的性情を示す反面、常に現実的な仕事(記者、政界進出の準備、印刷事業など)にも取り組んだのである。

※括弧内、別文から一部抜粋

彼は伝道者たることをあきらめ、後年には一時文学をも離れて、出版事業に力を注ぐこととなった。

ネトフリの「悪魔の計略〜デビルズ・プラン〜」で、ハ・ソクジンが格好良かったのとリンク。現実主義的に論理・功利を追い求めつつも、裏っ側にある理想が見え隠れする粋さというか・・。リアリストっぽいのにロマンチックな人的な・・・。かっこよ

ややもすれば浪漫を喪失しそうになる時に、彼の詩魂に触れる事象に接して、独歩は思わず驚くのである。宇宙・人生の不思議を痛感する時、彼の浪漫は呼び醒まされる。「驚異心」こそ浪漫への覚醒剤であり、根底であった。内面においてその現実的な性格と相剋する浪漫を醒ますものこそ、天地の不思議に驚く心だったのである。

濁歩の「牛肉と馬鈴薯」l特に「驚異」について

自然・宗教が浪漫を呼び覚ます、っていうのは、なんとも怪しげな感じだけれども、「驚異心」をちゃんと捉えようよ〜って言っているのは、示唆ありそうだな〜と・・。

昨日書いたこれ。

因果なき世界と因果から成る世界、無限の世界と有限の世界との出会いの瞬間における、言語以前ないしは反省以前の剥き出しの感動や驚き・から立ち上がってくる経験として理解されるべきなのである

今日のアニミズム

・・・言ってること一緒じゃないか?
理想を掲げる余裕などなく嘲笑され、現実的に生きなければならなかった国木田の時代を想うと、国木田独歩が令和に生きていたら、どんなことをするのかな〜って、ちょびっとワクワクするんだけどなぁ。きっと、郊外でリモートワークをして、文学に触れながら、事業ぶんぶん回してるんじゃないかなぁ。メディア界隈の事業かなぁ。意外とここは当時と変わらず、印刷事業の周りをうろちょろしてるのかもしれん。

10/15
さすがに物価、上がりすぎじゃね?とずっと思っており、なんでこんなことになっているのか、最低限の知識は欲しいなーーという気持ち。経済の勉強はしんどいけど、野村高文さんが音声プロデューサーをしてくれているラジオなら、面白く・サクッと・要点をついて・わかりやすく聴けるので、習慣化してる。だからってビジネスをどうこう!!!みたいな意識はあまりないけれど、趣味的に真面目な話を聞き続けられるので、編集がすごい。(これまで、浮世離れしたネタが多かったので、こういうラジオでバランス調整・・中和・・)


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