見出し画像

楽天・全世界株式とMSCIの違い

今日は「楽天・全世界株式インデックスファンド」を「全米株式インデックスファンド」のとの違いも含めて解説しましょう。

というのも、最近「楽天・全世界株式インデックスファンド」に出くわす機会が多く、iDeCoの普及で「運営管理機関」を楽天にしている人が増えていることも一因と思われます。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、バンガード・グループが運用しているETFを投資対象とするインデックス型投資信託「楽天・バンガード・ファンド」シリーズの1つです。

ETFというのは、上場投資信託ということなのですが、簡単にいうと「投資信託」の要素(広く分散できる)と、「株式」の要素(証券取引所を通じて、自由に売買できる)という両面の要素を持っていると考えてください。ファンド(お金の集合体である投資信託)自体が株式相場に上場をしています。

で、このETFにはたくさんの種類があり、それぞれ株価指数(日経225とかTOPIXとか)に連動するように作られています。

現物株式の取引をしたことがある人はお分かりだと思いますが、株価を売ったり買ったりを繰り返していると、手数料が高いとやってられないわけです。つまり、このETFも株式と同じように上場しているので売ったり買ったりできるということは、現物取引なみの手数料(コスト)ということです。


で、この「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)をベンチマークとしています。もはや、何のことか分からなくなってきたという人も少なくないかもしれませんが、もう少し頑張りましょう。

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとは、大型株、中型株および小型株まで網羅する全世界の株式市場の動向を表す時価総額加重平均型の株価指数で、ここをベンチマークするETFである「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(通称、VT)」を購入できる。これが、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」なのです。

難しいでしょうか…。実は、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(通称、VT)」というETFは有名で、日本を含んだ先進国、新興国を投資対象として約47カ国にものぼります。覚えておいてほしいことは、大型株、中型株および小型株まで網羅し、銘柄数は約8000銘柄近いので、投資可能な全世界の株式に広く分散できている(コストはETFなので安い)ということです(全世界の時価総額の98%をカバー)。

このVTがベンチマークしている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は全世界を投資対象にしたインデックス指数ですが、これと同じようなもので一般的に全世界を投資対象にしている指数で、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」があるのです。

多くの先進国ファンドなどに採用されている「MSCIコクサイインデックス」とはまた別ですが、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」と「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」との大きな違いは、小型株まで含んでいるかどうかです。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは世界の大型株・中型株を投資対象としていて、小型株は投資対象外なのですね(全世界の時価総額の85%をカバー)。

なので、
大型株投資となるのが…MSCI指数
大型も中型も小型もとにかく広くが…FTSE

でしょうか。全米株式の違いまでいくとちょっと難しくなるので割愛しましょう。ちなみに楽天全米株式はVTIというETFです。これもS&P500とは微妙に異なります。

以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?