見出し画像

Comme des Garçons Homme Deux

コムデギャルソンオムデゥ。1987年スタート。

コムデギャルソンのセカンドラインでありビジネススタイルラインでもある。それまでのギャルソンは、プレタポルテの(デザインデザインされた)斬新なイメージで、日常的にはちょっと無理かな的な衣服だった。それが、サラリーマンでも通勤できるスーツをラインナップして青山店をはじめ、全国有名百貨店でも展開することとなる。キャッチコピーは「日本の背広」。日本経済新聞などの全国紙にブランドを広告出稿したのだ。当時でもオンワードかレナウンくらいの大手しかできなかったことではないだろうか。しかも政治家や文化人をモデルとして登場させ、そのモノクロ画像にエンジ色のロゴがバーンとでる広告だったと思う。ファッション好きではあるが、一般社会ではなかなか着れない"隠れギャルソンファン"にココロがくつぐられることになったはずだ。

パターンもすばらしいシルエットだった。その頃は、樫山製のラルフローレンに代表されるように、肩パットがはいり、ウエストがしまってかつ丈が長いトップとストレートのパンツでセットアップになっていたのがスーツの主流だった。それが、オムデゥの背広のシルエットがAラインだったのだ。その型紙に"粋"を感じた。後ろ姿が、幼稚園児が着る制服のように肩から腰にかかるまで徐々に広がり、縦にドレープがつく後ろ姿だ。パンツもいわゆるボンタン型で、西洋からの引っ張ってきたスーツではなく、当時、洗練された価値観をもつ少数の日本人にピッタリのカタチだった。(わかってもらえるだろうか不安だ) 生地も渋くかつ、尖っているテクスチャだ。(グレーばっかりw)

画像1

今まで、処分できずにクローゼットにしまってあった。しかし働き方を変更したので思い切って捨てた。いままでありがとう。苦楽をともにした日本の背広たち。

銀座三越のComme des Garçons Homme Deuxコーナーでセットアップを新調する時期がくるのだろうか。先のことは誰にもわからない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?