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死なない程度に

 夏が終わる


 本当に大変だったお盆の時期をなんとか生き抜いて、そのあとフラフラになって倒れこむように予定されていた夏休みに突入。この状況なのでもともとどこにも行く予定はしていなかったのでもうゆっくりするしかないのだが、やっぱり医院のそばにいればいろんなSOS仕事がやってくる。結局、去年と同じように、そしてもう土俵際寸前まで押されていた仕事をなんとか立て直すことができた、と思ったらあっという間に予定の一週間が過ぎ、夏休み in 2022は終了。あー、もう次の休みは正月までないのか、、、とブルーな気分で明けてみたら、やっぱりまだまだ大変で、いやーこんな調子がまだまだ続くのかな、ってさらにブルー、いやモアブルーになっていたら週の後半になって少し潮目が変わってきたようだ。
 なんかいつの間にか高校野球が終わって、空をふと見上げたら積乱雲ではなく、ちょっと高いところにうろこ雲があって、ふと見るとシオカラではなく赤とんぼがとんでいて、ミンミンゼミもヒグラシが鳴かなくなってコオロギ的な虫の声…いやもう夏が終わりなのかもな、いやもう終わりでしょう、って思ったころから、体感的にも感染者数はがくっと減ってきた。狂ったようになりまくっていた問い合わせ電話も、まあこのくらいならなんとかなる、っていうくらいまでには落ち着いてきた。
 
 そんな感じで、いつの間にか季節は変わっていく。

 第七波はほんとに大変だった。世の中の人が思っているより、ずっとずっと(×7)。電話はここはチケットぴあか?と思うくらいにかかってくるし、あっという間に発熱外来はいっぱいになって断らなければならない。しかしそんなことはお構いなしに次々と問い合わせ電話はかかってくる。あきらかにキャパオーバー。そんな中、こういう時にはいつもそうなのだけれど声の大きな人たちの言動で消耗する。消耗が進行すると、ふだん余裕があるときには対応することができるスタッフたちの心も少しずつ荒み始めていく。荒んだスタッフたちの言動に自分がまきこまれるとさらに大変なことになる、と心に言い聞かせて、なるべく影響されないように、なるべく冷静に、と思っていても、僕の心もやっぱり少しずつ蝕まれていく。
 そんなときにいわゆる外野にすぎない、いやプレーもしていないメディアにあふれる暴力的なことばは、弱り切った自分の魂を削り取るだけである。元気にしてくれる、回復させてくれることばを探してついコンタクトしてしまうのだが、そんなことはまずないことはわかっている。だからこういうときにはメディアの情報は極力ミュートし、必死で目の前、そして足元だけを見つめて過ごす日々を続けていくことにしている。メディアの人たちは自分たちの価値観にそって役割を果たしているのだということも十分理解しているのだけれど、結局こういう状況のときに彼らがしていることは足をひっぱること以外の何物でもないのだ。

 頭の中で、古い歌のフレーズが繰り返す。
 たよりなげなジャーナリズム。すべては警告どおり。

 
 しかし、いまみちともたかのギターの音色は今聞いても不穏だ。

 さてそんな中、目の前、いや足元しか見つめない日々を過ごし遠くを見つめる余裕もない日々を続けている。一か月先、いや一週間先がどうなっているかすらわからないので、今、ここに集中するしかない。ある意味マインドフルネス。そんな中でも、きっちりしている人の多くはきちんと計画を立てるのだろうが、僕には今のところ遠くの自分を考える余裕は残念ながらこれっぽっちもない。
 

そんな中また今年も秋季セミナーの時期が


 このNoteを始めるきっかけになった秋季セミナーが今年もまた開かれることになった。去年のこともあるので、今年はまあ何もしないんだろうな…と思ってたかをくくっていたのだが、直前になってキャリアカフェのホストの依頼がきた。まあここ数年こればっかりずっとやっているので、依頼する側も安心感があるのだろうなあ…と自分では思っているのだが、なんか自分のもとの立ち位置にもどった感じではある。
 そして、ことしはオンライン開催ではなく、現地開催(たぶん正確には配信も同時に行うハイブリッド方式なのかな?)なのだそうだ。現地か…ハードル高いなあ、この三年間東京離れてないし。ていうか世田谷から出たのも数えるくらいだし…、と、ちょっと尻込みしていたところ、バディーを組むT先生は二つ返事で「やりましょう」とのお答え。T先生潔すぎ…
 まあ、この先のことなんてどうなるかわからないし、この3年東京から全く出ていないのでちょっと箱根の関所を越えるのもまだ抵抗がどことなくあるのでオンラインの線も残しつつ、引き受けることにした。
 タイトルは企画側は「開業医の小部屋」を提案してきたのだが、また今年もその時、たまたま聞いていた80年代アイドルの曲からサブタイトルをいただきました。それはこちら。


 すこしだけやさしく、してほしい…

 どちらかというと私は知世派なのですが。
 そういえば一年前はなんかもやもやと悩みながら、いろんな人の話を聞いていた。オリンピックやパラリンピックでいろんな人がいろんなことを言っていた。そんなこともすっかりみんな忘れてしまったのだろうか。本当に世界は変わる。

今、これを書いているこの時のことも、1年後には忘れさっているのだろう。多くの人たちも。そして自分も。それが人間というものか。

 中村一義のデビューアルバム、金字塔の最後に入っているHidden track、主題歌。


 配信だと一部しか聞けないけど、2nd アルバムが出る前にシングルとして出たこの曲は中村一義の公式チャンネルで聴けます。



青の時代を延々と行くのも、また一興だ。

成功も失敗も全部無駄じゃない。

1年がたった。その間、自分は何をしたのだろうか。何ができたのだろうか。この積み重ねが続いた上で、何が残るのだろうか。

 ひとつ言えることは、どんなときにも自分を肯定すること。否定からは何も始まらないし、生まれない。

とはいえ、すべてを受け入れるって心境までには、なかなか、ね。

さて、また明日からも自分ができることを続けます。

(続きます)



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