見出し画像

誰も教えてくれないアメリカ不動産が値上がりする要因.その①新築が少ない

これからは日常トピックとは別にアメリカ不動産の事も書いていきます。

自己紹介で書いた通り、私は日米不動産協力機構(JARECO)で米国不動産投資講座の講師をしています。

私の自己紹介は良かったら下記をお読みください♪


この米国不動産マスター講座は私がオリジナルで作ったテキストを使っており、多くの受講生の皆様から面白いかったとおっしゃって頂いていますので、ご興味があれば下記にお問い合わせしてみてください。

さて、表題の「アメリカ不動産が値上がりする要因」についてです。

その1つ目として

今日は「アメリカは圧倒的に新築が少ない」という事についてお話ししますね。

日本と対比しながら重要な事をお伝えしますので良かったら最後までお付き合いください!

1.日米の新築供給と資産額の推移(グラフ)

「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 平成25年度報告書」国土交通省

このグラフは国交省の「中古住宅市場ラウンドテーブル 平成25年度報告書」の資料です。
私はこの資料を、全米不動産協会の公式資格である「CIPS(認定国際不動産スペシャリスト)」の講義の中で初めて見て衝撃を受けました。
その驚きが「米国不動産マスター講座」を作って一人でも多くの人に米国不動産の事をお知らせしなければと思った原動力になったと言っても過言ではありません。

2.日本の住宅「不都合な真実」とは


ポイントは
①米国で1945年から2008年、日本では1969年から2011年の、それぞれの住宅投資額の累計と、住宅資産額を比較している。
②米国では「投資額に見合った資産額が積み上がっている」。
③日本では「投資額の累計を約500兆円下回っている」。

それぞれの詳細は下記の通りです。

米国では投資がストックとして少ない減耗として積み上がっているため、好景気などにより再調達原価が上昇すると、資産額が投資額を上回る
=住宅価値が市場を反映して資産となる
日本では、投資額累計に対し、資産額が500兆円程度下回る
=中古住宅の価値が購入時よりも下落する

「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 平成25年度報告書」国土交通省

以上のデータを見て「持家を買っても資産にならない」という事をアメリカ人が聞いたらとても驚く事と思います!

どうしてそうなるのか深掘りしてみます。

3.日米の違いが生じる理由

日本の場合:少し古いですが(この辺りも日本の課題で最新データがない)

国土交通省と総務省の2018年の調査では、流通した持ち家系住宅70万戸のうち新築住宅は54万戸(77%)、中古住宅は16万戸(23%)となった。

ニッセイ基礎研究所

米国の場合:下記は2023年12月のデータで毎月更新されます。

こちらのデータによると新築住宅販売戸数は2023年11月時点で59万戸。


既存住宅(アメリカでは中古住宅とは言いません!)

既存住宅の同時期の販売件数は3,820,000戸(2023年2月は4,550,000戸)

でした。

直近で新築が14%、既存住宅が86%です。

日本と真逆ですよね!

4.ちょっと考えてみてください

Q1.あなたが新築で買った住宅より、駅から近くて新しい物件が大量に売り出されたら、あなたの家の販売価格はどうなりますか?

A.あなたの家は値下がりする

それはそうですよね。

新築物件がより良い条件(もしくは同条件)で大量に供給されるなら古くなるにつれて価格は下がりますよね。
(もちろん、その新築物件がランドマークになって地域の市場全体が上がることはありますので、市場メカニズムの話として聞いてくださいね)
その総和が上記の国交省の資料のグラフになるわけです。

要するに1970年代までは、人口増加と住宅供給の需給バランスが取れていたとも言えます。

その後は、供給量と資産額の乖離が始まります。

これについて、私の講座を受けていただいた、大手建築会社の方になぜですかね?とお聞きしたことがあります。

その方はこうおっしゃっていました。

「簡単なことですよ。必要以上に建て続けて供給がダブついたからです」

私「••••••」

ところで、話は変わりますが、以前アメリカの知人に、「もし自分の住んでいるエリアに新築の開発があると聞いたらどうする?」と聞いたら
彼は「公聴会を開いて断固反対する!だって自分の家の価値が下がるじゃないか」とおっしゃいました。

アメリカ人の権利意識を知って納得した記憶があります。(これまたアメリカ人が聞いたら「当たり前じゃない!」と驚かれそうです)

5.まとめ

今日は「アメリカ不動産が値上がりする要因」の1つ目として、アメリカでは新築が少なく既存住宅市場が圧倒的に大きいと言う事を書きました。

もちろんこれだけで価格は上がる訳ではありません!

例えば日本の過去30年のように景気が長期低迷したら価格は下がり続けます。
市場原理で価格が決まるわけですから。

という事で、今後説明するその他の要因があり、結果価格が上がるのでその辺りはまた書きたいと思います。

今日のところは、まず、アメリカは新築より圧倒的に大きな既存住宅市場がある事を覚えておいていただきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?