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結局どのサムピックがいいの?ソロギター編

先日、『サムピック大全 : 音色・特性徹底比較』という記事を書いたのですが、種類が多くて、どれを選べば良いのか迷われる方もいるかと思います。

そこで、今日は私の個人的な意見を交えつつ、ソロギターに特に向いているサムピックをランキング形式でご紹介したいと思います!

1位 【YAMAHA / THUMB PICK】

第一位はYAMAHAです!

このサムピックの一番の魅力は、ソロギター用としての万能さです。
音のバランスがとても良く、中音域から高音域にかけて音に柔らかさがあります。
だから、メロディーの邪魔になることがほとんどありません。

また、強く弾いても、優しく弾いても、ニュアンスがしっかりと出ます。
しかもストロークも単音弾きも、どちらもちゃんと音がまとまります。

さらに、素材が少し柔らかめなので、指への負担が少ないです。
値段も良心的で、弱点がとても少ないサムピックと言えます。さすがYAMAHAですね。

ただ、派手な音ではないので、少し物足りないと感じる方もいるかもしれません。
迫力の面では他のサムピックに一歩劣るかもしれませんが、その分、音が暴れる心配が少ないですね。

優等生的なキャラクターで、扱いやすさが魅力なので、特にソロギター初心者の方には、ぜひおすすめしたいサムピックです。



2位 【FRED KELLY / Slick Pick Medium】

このサムピックは先端の形状が丸くて、柔らかい低音が特徴です。
中音域は少し弱いのですが、先端が薄くなっているため、高音域は意外とキラッと響きます。

ドンシャリ気味の特性なので、他のサムピックよりもメロディー弦の邪魔をしません。
特に、メロディーを引き立たせたいスタンダードなソロギター演奏には、このサムピックがヤマハのものよりも良い場合が多いですね。

ただ、迫力のある低音を出すのは少し難しく、また、単音弾きの相性もあまり良いとは言えません。

YAMAHAのサムピックと比べても、甲乙をつけがたいほど優秀ですが、全体的な対応力で見るとちょっと足りず、第2位になりました。



3位 【PICKBOY / TP-TG BLACK】

マットな質感で若干ザラつきがあるのが特徴のサムピックです。

普通のセルロイド素材のサムピックは音がウェットな傾向にありますが、このサムピックはマットな質感のおかげで、少しドライな音がします。
でも、ウルテム素材ほどカラッとした感じではありません。ウェットとドライのちょうど中間のような音ですね。

アタックは少しモサッとした感じがありますが、これは必ずしも欠点とは限りません。
例えば、素朴な感じを出したい時や、軽やかさを演出したい時には、このサムピックがピッタリです。
また、低音弦を控えめにしてメロディーを際立たせたい時にもいい選択です。
コスパが良いのも素晴らしいですね。

基本的には、万能に使えるサムピックですが、ゴージャスな音を求める場合は、他のサムピックの方が合うかもしれません。

それと、音質がウェットでもドライでもないので、中途半端な印象を持つ人もいるかもしれません。
メリハリのあるゴージャスな音が好まれる傾向にある中で、このサムピックの素朴な音は、少し好みが分かれるところです。



4位 【JIM DUNLOP / White Plastic Thumbpick】

性能や対応力ではトップクラスですが、価格が高いためこの順位になりました。

YAMAHAと比べて、素材が硬く迫力のあるクッキリとした音が特徴で、ヤマハのサムピックが苦手とする部分をカバーしています
価格に目を瞑れば、1、2位争いができる性能を持っています。

特に、単音弾きにおいてはヤマハよりも良いですね。単音弾きソロなどでは、こちらが輝くことが多いです。

ただし、低音を弾いている時にメロディーより前に出てしまうこともあるため、扱いが少しだけ難しいかもしれません。

スタンダードに愛されている商品だけあって、音質の面は素晴らしいですが、価格が足を引っ張って第4位です。



5位 【TAKAMINE / TPT, TPW】

クッキリとした音質と滑り止め付きで、演奏時の安定感が抜群のサムピックです。

特に夏場のライブなど、手が汗ばむ状況での演奏には、滑り止めがあることが大きなアドバンテージになります。

今回紹介するサムピックの中では音の重心が高いので、明るい曲調や単音弾きに適しています。コスパも高く、気軽に購入できる点もいいですね。

しかし、ソロギター用途としては低音が少し弱いため、物足りなさを感じることがあります。
また、滑り止めが役に立つ場面は、実際そこまで多くないかもしれません。

素材の硬さとやや小さめのサイズにより、長時間の使用では窮屈感が強まる可能性があります
ただ、滑り止めも相まって、ズレることは少ないので、やはりライブでは安心感がありますね。

素晴らしいサムピックではあるものの、輝く場面があまり多くないことから第5位にランクインです。


番外編 【NATIONAL PICKS by Daddario / NP7W】

サイズがかなり大きいため、万人にオススメできるわけではありません。
しかし、非常にバランスの取れた素晴らしいサムピックなので紹介します。

このサムピックは低音の量感が豊かで、他のサムピックよりも下の帯域がよく出ている感覚を覚えます。
また、高音域もツヤがあり、ウェットな質感を持っています。
しかし、メロディーの帯域を邪魔するほど主張が強いわけではない、ちょうどいい品の良さがあります。

先端が短いため弦に深くかかりすぎず、低音弦の演奏がしやすい一方で、単音弾きには慣れが必要なので、ここは好みが分かれるところです。

サイズが大きく、値段が高いというネックはありますが、その価格に見合う性能を持っています。
指が太い方には、このサムピックを試してみる価値があるでしょう。


ー 評価基準 ー

  • メロディーを邪魔しない: 低音弦を弾いた際に、メロディーの邪魔になっていないか。

  • 低音: 量感のある低音域の再現性。

  • 単音: 単音を弾いたときの音質がどれだけ良いか。

  • コストパフォーマンス: 価格と品質のバランス。

  • 対応力: 多様な演奏スタイルへの適応性。

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