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映像と音楽(安室奈美恵 編)

映像を作る人も音楽を作るひとも似た感覚があるんだと思っていて、
それは対象になるものが最初にあるかないかでインスパイアやアプローチが大きく異るということ。
僕の場合音楽家なのでストレートに音楽を作るときと映像が先にあって、それに対して音楽を考えるのとでは、全く別の脳を使う。
作業自体は似てるように見えても、最初のインスピレーションが内発的なものと外側から受けるものでは実は大きな差がある。

2011年の冬の終わりごろ一本の電話が入った。
ある化粧品メーカーの広告音楽の依頼で、安室奈美恵ちゃんがアクト。
かなりの顔のアップで全編押し通す映像はインパクトが強く、特に僕が受け取った段階の映像にはナレーションもなにもなくて怪しげな表情で揺れ動く奈美恵氏のみ。

エレクトリックな強い反復リフレインが真っ先に頭に浮かんだ。
そして映像を見ながらフリーハンドのようにスケッチをしていった結果こうなった。
(動画2つ目が最初だったはず)

そして、このスケッチを奈美恵ちゃん本人が聞いて、
「わたしこれ歌いたい」となった。
なので、最初は15秒のインストロメンタルのリフレインだったものが最終的に「NAKED」 になったのだ。

奇しくも2011の東日本大震災を跨いで制作を行い、以前、以後で歌詞がまったく変わり、よりメッセージ性の強い曲になった。

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