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Shadow Dance 制作手記

今回ひかりちゃんからのオファーでMONDO GROSSOとして提供した曲「Shadow Dance Prod. MONDO GROSSO」 が去る9日リリースされた。
彼女をMGに迎えるパターンと少し異なるものの音楽をやることに大きな差はなく、名義やアウトプットなどの違いは一旦音楽の中に入り込んでしまえば重要ではなくなる。

音楽の生まれるプロセスは毎回本当に不思議で、クリエイションの源にどんな意図があろうが本来あるべき形に自然と成ってゆく。
(わたしの場合)

上手く行かないと感じる場合の殆どはこの流れに逆らう事が原因で、最初に描いた曖昧なビジョンに固執するあまりどこかに不自然な力がかかってしまう。
(あくまでわたしの場合)

その意味でShadow Danceはとても淀みの少ない取り組みだった。
依頼された時すでにこれじゃないかな?というスケッチが存在していて、とても気に入っているのに何にもアサインされずにスケッチとして存在していた。
しかも、そのタイトルは「Gucci Code」と名付けられていて、話せば長いが10年以上前にGucciに宛てたスキットから派生したスケッチだったのだ。
(今回のMVのスタイリングなどはGucciのサポート)

スケッチを聴かせた時の彼女の反応は微塵の躊躇もなく
「これですね」と言うような感じだったと記憶する。
その後、彼女から出てくる暗号のようなキーワードを丁寧に記録しスケッチを歌曲に導く作業は、自分でもどういうプロレスだったのかハッキリとは覚えていないけどとても自然でスムーズなものだった。特にメロディーに関しては何の規則もないのに彼女の声が動くべき範囲や持つべきリズムなどが明確に存在していた。

前にも記したが彼女の歌は歌手的なそれとは似て非なるものな気がしていて、魂の宿った清流のような歌声は、歌詞が語っている内容から絶妙に違う世界へ聴き手を誘う、ように感じる。

僕にとって、いやMONDO GROSSOに於ける僕のスタンスにとって叙情性と、ある意味和的な美しさを追求するこのチャンネルはとても重要で今後も深く掘り下げて行きたいと考えている。

2023年8月10日



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