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創造と破壊(詞、短文、フィクション)

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主に詩や短文、フィクションなど書き連ねています
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2018年8月の記事一覧

間(あいだ)

極端に反するふたつの方向性に憧れ 結局は中ごろに甘んじる 生まれ育ちの良さを羨んでも 反逆児を気取ってみても 現実は、無限に連なる「間」にいる 人生は生と死の「間」 僕らは、全てでありゼロであり 居場所はその「間」なのだ 諦めるまで失敗でなく 死ぬまで死ねない

ブラーフィクション #02  Blur Fiction #02

飲み疲れてボロボロになった帰り道、 繁華街に隣接してるのに人気のない高架下 ハザードを点滅させた一台のタクシー、 色は紺。 若い警官とタクシードライバー、 そして中年のスーツ姿の男が話している。 タクシーと客の喧嘩、そしてその仲裁を装い、 それぞれ手にはアイスピックを持っている。 ジャコウネコの香水を気化させ合流する深緑のドレスの女。 手には目を疑うほど磨き上げられた金槌。 僕はここに存在しないかのように 四人で進む世界。 スーツ男がトランクを開け、 中から取り出した大

提案

君が僕にそうであるように、 僕も君に全く興味がない。 さ、何から話そうか?

甘美で美しいものから、不意打にナイフで背中を刺すような卑劣なものまで、人生は嘘にまみれている。