HBAサマーセール2022 - 成果編その1 -

5日間にわたって開催された掲題のセールを完走し、無事に神戸まで帰ってきました。

私がその購買に関係した馬達は以下の2頭。

 234 シャンハイボビー × ロードナカヤマ 牡 税抜1650万円  吉川氏
 856 ルーラーシップ  × セラフィーヌ  牝 税抜1500万円  中西氏

出発前には「このセールにおける購買活動で、実情とマッチするのは、やはり500万円までの馬狙い。いくら出しても800万円まで。」と結論づけていたのに、どうしてこんな事になったのか・・・。それには勿論そうなるだけの環境的な理由がありました。

その理由とは「補助金バブル」です。

ざっくりと言ってしまえば半額補助がある大井勢が1500万円まで、4割補助の園田勢でも1000万円までくる。こんな印象がありました。

特に酷かったのは後者の園田勢で、園田は本来だと500万円までの馬で6割負担の300万円が馬主の出費といった計算じゃないと採算ラインになんてのるわけがないのに、これが平気で500万円を超えてくるのですね。

また、これは別に園田に限った話というわけでもなく、大井以外の南関補助馬購買勢も同じで、まずまず800万円までは普通にくる感じでした。

こうなってくると、補助馬購買に当たっていない地方競馬勢と、「500万円までの馬で中央にちょっかい出したるで」といった陣営にとってはテキメンに環境が厳しくなってきます。勝機なんてほぼほぼないと言っていいでしょう。

私が「当初の計画案は全て瓦解した」と決定的に悟ったのは、牡馬が得意で馬体派の馬見では実績トップのケイアイファームさんによる最初の落札馬が2650万円の牝馬だったという結果を見た瞬間ですが、一応順をおって振り返ってみましょうか。

一頭目、ロードナカヤマの2021は最初から狙っていた馬でした。単にこの馬を狙っていただけで、特にシャンハイボビー産駒を狙っていたわけではありません。事前評価ではトップクラスで、実馬を見ても各種チェック項目をクリアしており、普通に最終リストに残ったという馬です。ちなみに、初日で最終まで残ったのは本馬とこの日の最高価格馬だったルーラーシップ産駒の牝馬でした。

吉川氏には以前「1200万円ぐらいで奇跡的に落札できるかもしれないので一応競りには参加してください」とお願いした馬が後のディープボンドだったという事もあり、今回はどう言えばいいのか多少悩みました。この馬に関しては「2000万円ぐらいはするやろ」と思った私の値段読みに問題があったのですが、正直1620万円ならもう少し頑張っても良かった。

これね、一村氏の場合だと私自身が競りますので、例えば「200万円一声なら良いが210万円ならもう要らない」とか「300万円までが理想だけど400万円まではおってもいい」などの微妙な判断の匙加減が可能なのですが、ご自身で競る馬主さんですと、このちょっとした手ごたえの細かなニュアンスを正確に伝えるのが非常に難しいのです。

結局私が吉川氏に伝えた言葉は「おそらく1200万円から1500万円。これを超えてきて、そこまで金出すの嫌だなと思ったら降りてください。ただ、下手すると2000万円まで行く可能性もあります。」というもの。

大井勢は概ね1500万円までのはずなので、それを超えると相手は補助金関係なしで大金を突っ込める中央勢という事になり、後は青天井になりますからね。まだ初日なのでそこまでのリスクは取れないといった判断でした。

結果としては、吉川氏が1650万円までおって落札。

ただ、これ消費税を加えると1815万円ですから、ほとんど2000万円クラスの馬になるわけで、外す事は許されない購買に属す事になり、真面目に初日から胃が痛くなりました。とはいえ、これで吉川氏からの「中央用の馬を」というミッション自体は無事にコンプリート。吉川氏も私も本馬に大きな期待を寄せている事は言うまでもありません。

栗東・長谷川厩舎を予定しているそうですので、どうにか走らせてくださいと念願する他ありませんね。

そして、吉川氏の方で問題になったのが園田用の馬。しかも、吉川氏は今年に関しては購買補助に当たっているわけでもありません。

初日を終えた段階で「これは無理」とほぼ絶望していたのですが、予習のエントリーで書いていたように「勝算を見いだせないので馬買うのやめません?」と相談するのも気が引けるわけでして、一人で途方に暮れる事に・・・。

大体がまだ初日を終えただけですしね・・・。「やる気ないのかな」と思われても仕方ありませんし、「まだ1000頭以上いるのに、園田用の馬を一頭見つける事もできんのか、よく相馬師とか自称してんな」と言われても反論できないような申し出ですから・・・。

そして、2日目になっても言い出せず「どうすっかな」と一人で悩んでいたのですが、吉川氏も同様の印象を受けられていたのか、吉川氏の方から「園田用は来年にでも補助馬に当たってからにして今年はやめておきましょう」と話があり、結果的には馬主さんの温情に救われる形となりました。もしかすると、私がよっぽど苦痛に満ちた顔をしていたのかもしれません(笑)。

話が長くなっておりますが、まーまーそんな訳で、吉川氏からのミッションは全てクリアに。以降は、3日目から現地入りを予定していた中西氏からのミッションに挑む事になります

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?