安馬が走るメカニズム  - 馬体編 -

続いて、馬体編。

馬の値段を決める要素として、個体としての良し悪し、これは形は勿論、動きも大きく関係してきます。

簡単に言ってしまえば、その馬に馬体上の欠点があれば、その馬は安くなりがちですし、美点があれば高くなりがちです。当たり前の話ですね。

欠点の捉え方に関しては、選別者によって考えが千差万別だと思います。「前脚の欠点に関しては、坂路を使えばいいだけだからそんなには気にはしない。」という人もいれば、「前が7割、後ろ3割でやはり前の方が重要」という人もいます。

そもそも、欠点をまるで気にしないという人もいます。「欠点があれば、その分、安く買えるわけだから、リスクはその値段の減衰分で相殺される」という考えです。

しかし、こういった考えは一世代あたりに最低でも5頭程度の馬を所有している中規模以上の馬主さんには多少有効かもしれませんが、小規模の馬主さんには余り有効ではないでしょう。

一定数以上の所有馬がいて、毎月それなりの出走手当と賞金を得ているのならば、月々の維持費に関して持ち出しが無し、もしくは少ない額ですみますが、所有馬が少ないケースで、かつ故障がちなんて馬が数頭いると、その負担を他の馬でカバーしきれないからです。

また、地方競馬に行った際にも、その馬の丈夫さという要素は大きなアドバンテージになります。地方競馬では、月に2回出走して、その出走手当で維持費を捻出しないと、低い賞金ではなかなかやっていけないという一面があります。

馬体の良し悪し、丈夫さの度合いに関しては、どの要素を優先して、どの要素を妥協するのかという判断基準が選別者によって違い、その判断の是非が選別者の力量そのものと言っていいでしょう。

個人的には、丈夫なダート馬ならば何かと潰しが効くので、まずはそういった個体を選んでいった方が無難という考えです。

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