電波的相馬論ふたたび

「Shining Blade」「Shining Blade II」をお読みいただいていた読者の方は既にご存知だと思いますが、ここで簡単に「情報分析による相馬の存在意義」とはどういったものなのか? その概要を簡単に説明しておこうと思います。以前は、「電波的相馬論」と呼んでいた内容です(笑)。

「競走馬としての素質に富んだ仔馬をどう選別するのか?」

その方法は多岐にわたります。

血統的なアプローチ、馬体的なアプローチ、その動きから予想される運動能力、その仕草から予想される気性、経験からくる直感的な勘、普段世話をしている牧場関係者からの情報収集、馬がもつ雰囲気、個別に挙げればキリがありません。

そして、こういった多項目に渡る相馬の要素を総合的に考慮し、実際に馬の選別を行うのは調教師、もしくは牧場主というケースが一般的です。

彼らは、日常的に現役の競走馬、もしくは幼駒を管理し、多くの走る馬・走らない馬を継続して見てきているわけですから、相馬に必要な項目の大部分に関して、深い見識を備えています。その見識は、当然ながら相馬に必要で、かつ大いに有用でもあるわけです。

私は、今は引退されましたが名伯楽にして相馬師としても名高い白井寿昭元調教師に教えを乞い、今の師匠は森秀行調教師という人間ですが、やはり多くの項目に関して、私の力量はこのクラスの調教師に遠く及びません。

特に、トレーニングセールとなると、まるで歯が立ちません。森師の管理馬に、ヨシオという馬がいますが、この馬などは個人馬主にとって「究極の理想」と言える馬です。まだ5歳なのに、既に50戦を消化し、5勝。オープン馬でこれまでの獲得賞金は一億円以上、購買価格はJRAブリーズアップセールで500万円弱、まさにFlawless。完璧です。

こういったパターンでの成功は、調教師や牧場主、または育成事業者など所謂「プロ」の間での争いであり、そこに情報分析による相馬にアドバンテージはなく、割り込む余地は全くありません。

プロの中でも、突出した見識を備えている人たちによるガチの競争という話になります。

では、どこに情報分析による相馬のアドバンテージがあるのか?

プロローグの中で具体的に述べていきたいと思います。

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