ブリックスアンドモルタル
東京スポーツ杯二歳S.と並んで出世レースとされるサウジアラビアロイヤルC.を掲題の種牡馬を父に持つゴンバデカーブースが勝ちました。同日の東京6R新馬戦も産駒のミエノジュピターが勝って俄然注目を集めています。
私の評価としては、「保留中」。
まずジャイアンツコーズウェイという父系が悩ましい。
本馬はU.S.Aの種牡馬リーディング上位の常連で、現役時の成績を考えてもその時代を代表した名馬にして名種牡馬ではあるのですが、その割に産駒の市場成績が余り振るわない種牡馬です。
そうなる理由は産駒の左膝にあります。相当に遺伝力の強い種牡馬なのか、私が見た仔馬達だと8割以上の産駒の膝がズレていました。そして、厄介なのは残り2割のまともな膝の産駒を選んでも、父の影響をそれだけ受けていないせいなのか、そういった産駒はさっぱり走らないという事。
つまり、まともな膝をした産駒を選ぶと走らないし、かといって膝ズレした仔馬を買ってきて故障なんてしたら、「お前は馬鹿か」といった話になる。なんといいますか、カレンブラックヒル的なところがあるといいますか、選別者としてはなかなかに手を出しづらい種牡馬なのですね。
日本でジャイアンツコーズウェイの代表産駒というとエイシンアポロンですが、これは種牡馬としては冴えませんでした。スズカコーズウェイは私が大好きな種牡馬で、「堅実」「丈夫」を地でいく特性をもっていますし、ブリックスアンドモルタルも膝がまともな産駒でも走るスズカコーズウェイの上位互換であれば成功するかもしれないなといったところでしょうか。
実は私はブリックスアンドモルタル産駒を余り数見てないのですよ。なんせここ数年はセレクトセールに参加してませんからね。なので今のところは判断がつきません。
まー種付け料も600万円と新種牡馬としては高額でしたしね。吉田照哉氏曰く「サンデーサイレンスの再来」という事ですが、「バースの再来」に毎年騙されている阪神ファンとしては、このフレーズを出されると疑心暗鬼になってしまいますし、「3割40本まで打てるバッターなんて日本にくるかいな」というのが正直な印象です。
ただこの馬はストーンファーム出身馬なんですよ。つまりサンデーサイレンスを生産したアーサー・ハンコック氏が生産者。
私もキーンランドセプテンバーセールに参加した際に、少しだけ話をさせてもらった事があります。従業員の方が「どうぞ」とストーンファームの黄色い新品のキャップを私にくれまして、「これをあなたにあげるから、あなたが被っているその帽子をくれ」とお願いしたら、快く被っているキャップを私にくださいました。ですから、私が所有しているストーンファームの帽子はアーサー・ハンコック氏が着用していた由緒あるキャップという事になります(笑)。
ジェントルマンそのものといったお人柄でしたし、あの人なら凄い馬をまた生産されたのかもなとは感じますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?