HBAオータムセール2019

掲題のセールを終え、神戸まで戻ってきました。成果の方は一頭。

上場番号128番 センティーレの2018(父:ベーカパド) 税抜き540万円

諸々の要素で納まりのいい馬でした。「あと100万円安く買いたかった」というのが本音ではありますが、相手のいる話ですのでこれは仕方ありません。

セール全体の印象としては、売却率74%という数字が示す通り、お客さんの数が多く、また馬の引き合いも強かったという事は言えるでしょうね。たた一方で、平均価格が300万円を割り込んだように多くの馬が高く売れたわけではありません。

需要が高いのは、やはり300万円までの価格帯で、この価格帯で馬を買いたいという方々にとっては結構選び放題という環境だったように思います。逆に良質馬の価格は伸び悩みました。サマーセールやセプテンバーセールであれば1000万円を超えたであろう馬でも、800万円程度で落札されていましたね。

セプテンバーセールですと、800万円ぐらいで落札されてもいいような馬達が軒並み1000万円を超えていたように思うのですが、オータムセールになると、どうしてこんな真逆の現象が起こるのかと考えますと、おそらくは中央競馬に所属する調教師毎の馬房枠が関係しているのではないかと想像します。

つまり、中央競馬に馬を入れようと思うと、枠の関係でセプテンバーセールまでに買っておかないと、「もう一杯ですわ」と先方から断られてしまって入らないという側面があるのだと思われます。

なんせ、厩舎の枠どころか、BTC周りの育成業者ですら「もう馬房が一杯でこれ以上の育成馬は受けられない」とか言ってますからね。馬余りの時代という事なのでしょう。

「受け入れ先の関係で購買予定頭数は一頭だけなのだが、一番良いレベルの馬なら1500万円ぐらいは出すよ」

こういった中央の馬主さんがセプテンバーセールまでは多いと・・・。だから、それなりの質の馬なら、もう無理やりにでも落札されているのでしょう。オータムセールにもこの手の馬主さんがまだ何人かは残っていますけど、あくまでもメインは地方の馬主さんという事なのだと思います。

逆に言うと、中央の馬主さんであれば、調教師の先生に予め枠を一つ残しておいてくれとお願いしておいて、セプテンバーセールではなくてオータムセールで1000万円ぐらいの馬を買うといった方向性の方が環境的には楽かと思われます。地方の馬主さんも、最初からオータムセールで買うといった方針にした方がこちらも楽かもしれません。

「買う時期を遅らせた方が安くは買えるが、育成や預託先に関してある程度のビジョンが必要」

これがこのセールにおける馬主側の総括でしょうか。

さて、そんなこんなで今年の一歳馬市場もこれにて終了したわけですが、個人馬主にとってはまさしく冬の時代です。逆に、競馬関係者は我が世の春といったところなのでしょうけど、スポンサーはあくまでも馬主ですからね。これでバランスが取れるのかなとは思います。

それはともかく、今年は結局市場において6頭も購買サポートをさせて貰い、過去最高の頭数なのですが、これはその6頭分の「結果」を背負うことも同時に意味するわけで、本当はこれからの方が色々と大変です。

ただ、その結果がどういったものになるにせよ、また来年のセールに向けて、地道に勉強するしかない事に何ら変わりはありません。「継続は力なり」。また心機一転、頑張っていきたいと思います。

あ、ちなみに今年度の「HBA市場最優秀ランチ」は松本牧場のビーフシチューセットに決まりました。個人的な賞ですので、賞品は出ませんが、来年も出店されているようでしたら、またご馳走になりたいと思っております(笑)。大変美味しゅうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?