第62回 のじぎく賞(G)

掲題のレースにファーマティアーズが出走します。

前走は水沢の全国交流競走に出走して2着。ユングフラウ賞、浦和の桜花賞と南関クラッシック路線を歩んでいたものの、どちらのレースでも掲示板を外したのを見てグランダムジャパン狙いに切り替えたようですな。ここを勝てばポイントトップに躍り出ますし、正念場でしょう。

問題は馬体重で、デビュー時には475kgあった体重が435kgまで落ちています・・・。牝馬は難しくてデカ過ぎても走らないし、芝であれば軽量がキレに繋がる面もあるとはいえ、やはり450kgぐらいはないと能力的には減衰すると言わざるを得ないですね。実は芝の長距離で強いなんてオチかもしれませんが。

馬格ってやっぱり大事ですからね。私が競りで内田先生に推奨したツンツンの惨状を見て殊更そう実感しています。牝馬の成長曲線ってなかなかに推察するのが難しいのですよ。同じ内田先生に推奨したニャーなんかは丈夫に走ってくれていますが、あの馬は競りに出てきた時だと管囲が21.5cmもあったのに410kgそこそこですし・・・。

馬格の話を少し続けると、最近の現象でテキメンなのがレイデオロ産駒。中央では2頭の牝馬が勝ち上がっているのですが、一頭は小柄な億超えの馬で、もう一頭が馬格的には十分といった馬ですので、「ある程度の馬格がある=血統面で数千万円の上乗せぐらいの価値がある」といった状況になっています。

レイデオロ産駒の惨状は簡単に言ってしまえば「馬体詐欺ですらないシンボリクリスエス産駒」という事ですから、ディ-プインパクトやステイゴールドのような自身が小柄だけど走った馬ですらないのに、産駒が小さく出る種牡馬は相当にきついという現実を示唆しています。

馬体重というのは血統面とも深く関わりがあって、データ解析が得意な分野でもあります。例えば今は亡きスウェプトオーヴァーボード産駒なんて、馬体重が480kgを超えるような産駒だと、ディープインパクト産駒の中央勝ち上がり率より上の勝ち上がり率という結果でしたから。

すると、馬格があって脚付きさえマトモなら「一つは勝つ」という値段までは競っても大丈夫となり、それで買ったのがランパクだったわけです。

相馬というのは、目の前のいる仔馬の馬体を見るだけでは不十分で、血統面との組み合わせで行って初めて合否のジャッジメントをするための合理的な基準になりえるという事ですね。

新種牡馬が台頭してくると、その種牡馬に合わせた馬選びをしないといけないですし、そうなると継続的に勉強する他なく、相馬師の技量も時代や状況に応じて上下していくものだという事でもあります。

ま、それはともかくファーマティアーズですわ。

ここを勝てれば関東オークスの出走権もゲットできますからね。結構な時間的といいますか、ここまで人生そのものすら犠牲にしてきていますので、綺麗に勝って俺にドヤ顔をさせてくれと(笑)。そういった心境です。


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