HBAサマーセール2022 - 成果編その2 -

続いてその2。

中西氏からのミッションは大井の補助馬購買と園田の補助馬購買です。

しかし、やはりどうやっても無理なんですよね・・・。「最終リストに残っているわけではないが、まー300万円の一声なら・・・」といった判断の馬でも軒並み1000万円を超えていくのですから。

なんかね、いくら「馬体さえしっかりしていれば血統面は目をつむる」といっても、「程度の問題」というものがありますから。近親のどこにも南関東で3勝できるぐらいの馬もいなくて種馬はやっすいダート種牡馬なのに、そんな仔馬が1000万円強稼ぐなんて無理ですよ。逆に、いくら「馬はわからん」と言っても、膝が反ってるとか、負担がかかりすぎて既に軟骨が削れているとか、種子骨に縦にヒビがはいっているとかも同様で、それはさすがに無理ですから。

とはいえ、中西氏の方も馬主のパワープレイで結果的には買えてしまうのですね。それが856のルーラーシップ産駒。この日の最終リスト馬は本馬とやはりこの日の最高価格馬だったヘニーヒューズの牡馬でした。

ルーラーシップは画像解析ソフトと相性の良い種牡馬で、ここ5年ぐらいやってきた研究の成果を問われるといった購買でもあります。これも最初から狙っていた馬です。

そして、中西氏の方もこっちは補助馬に当選しているとはいえ問題は園田用の馬という事になります。ただ、私は5日目の下見を終えた段階で「無理なのでセプテンバーですね。顔を洗ってヅラもつけて出直しましょう」と進言したのですが、私の言い方が悪かったのか、サマーセールでケリをつけたかったのか、それとも当たり前にその馬が余程欲しかったのかは不明なものの、中西氏はご自身の判断で5日目にバゴ産駒を購買されて、こっちも他力本願ながらミッションはクリアという事になりました。

まずまず勝負がかかった大井の補助馬購買に関しては「君の努力に免じてここは信用してあげよう、君の牝は当たらんけど」といった温情があったのでしょうし、一方でご自身の強運を全く発揮せず競りを終えるのもしっくり来ないでしょうから、これはこれで良かったのだろうなと思っております。

というわけで、中西氏のミッションもこれが運よく無事にクリアとなるのですね。

残るミッションは内田氏のミッション(中央地方問わず1頭)なのですが、これは素直に内田氏に謝罪して「今日は推薦馬なしです」と正直に申し上げました。

というか、「サマーセールの方がセプテンバーセールより買いやすいので、最終日だけでも来ていただけないでしょうか」と内田氏に頼んだのは私ですし、経費も請求させていただくので、本当に申し訳ないとしか言いようがありません。

いや、まーまーとりあえず補助馬購買の人たちが買い終わらないと、この異常な相場だと無理というのが私の見解です。勿論、手練れのプロ連中はこんな環境でもしっかり当たり馬をお買いになりますし、それは2年後にでる結果でも実際そうなっているのでしょうが、率直に言って私には無理でした。

というわけでして、実は今年のサマーセールに関しては、のっけから絶望しながらも、馬主さんには2頭のみを推薦して、その2頭とも買えるという「完勝」の内容ではあったのですが、多くの宿題を抱えた上でまた再度セプテンバーセールで勝負する事となります。

5日間を完走した感想を一言でいうと「オータムセールには行きたくねぇ」でしょうか。いや、もうこれは購買登録者数を見れば一目瞭然ですが、淘汰されずに生き抜いた生産者が日の目を見る事自体は歓迎すべき事象なものの、極端な「馬主の淘汰」が進行しているという他なく、基本的には金を使った馬主から消えていく可能性大という事だけは肝に銘じておくべきだとは思います。

そして、まーこれがノーザンファームさんに関しては、今年のサマーセールにおいて1600万円のタルマエ一頭しかお買いになってないのですよ。東京優駿と優駿牝馬はともかく、これで東京ダービー、関東オークス、園田ダービーに北海優駿まで生産馬を加えて綺麗に使い分けされて総ナメされるなんて事になったらブラックジョークもいいとこですね。

最終日なんて狂ったようにと表現すると失礼かもしれませんが、もう必死に手を挙げている馬主の方を散見しましたけど、購買した馬達が運よく軌道にのって活躍しても、最終的には母がUSAのGI馬みたいな億超えのノーザンファーム産馬や同様に億超えのマルガイを相手にしないといけないという厳然たる現実を忘れているのではないかと心配になります。

勝つと思うな、思うと負けよ。

ギャンブルの真理であり、鉄則です。

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