今年のセール展望あれこれ

今日は掲題の話題。

二歳トレーニングセールとしては、千葉セリとHBAトレーニングセールが5月に開催されるわけですが、今年はどちらも上場頭数が減っているようですね。千葉セリはまだそこまでではないものの、HBAの方は一時期の半分以下で100頭をきってますな。

まぁ言ってももう二歳で同世代の他馬には既にデビューしている馬もいるわけでして、育成の過程で「これは走らんな」とジャッジされた馬か、「これは競りで目立つだろうから高額売却が期待できる」と上場元から期待されている馬かの二極化なのだろうと容易に推察は出来ます。

ただ実際はそこまでステレオタイプでもないですけどね。例えばベラジオオペラの競り当時の映像を見ていたのですが、もう結果が出ているので私の技量不足と断言できるものの、あれをあの値段で買うのは結構きついと私は感じました。ハーツクライ産駒なら、B-ぐらいはつけてたかもしれないという評価です。総じて短距離のロードカナロアが父であのパワー感の無さはしんどいという印象ですけど、当然これが後のGI馬なのですから、分かる人には分かるのでしょうね。

また、現実にはそういう馬の方がこういった競りだと当たり馬がいるとでもいいますか、虚々実々のパズルみたいな一面があるのでしょうね。ただ競り全体の話で言ってしまえな、やはり値段なりではあると思います。

乱暴に言ってしまえば「最高落札価格馬の期待値が結局一番高い」という至極当たり前の話になるでしょうから、そういった点でHBAの方だと何かとしんどいのでしょう。

元々どちらのセールにも参加する予定はなく、ついでにセレクトセールにも参加する予定はないので、私個人にとっては「何の関係もない話」ではあるのですけど、今年はセレクションセールとサマーセールに大きな変更点があって、こちらの方で少なからず戸惑っています。

まずセレクションセールですが、3日間開催になるのは良いとして、前日展示がなくなりました。初日がプレミアムデーという事で、更に厳選された良質馬を上場とありますが、それなら初日の分だけでも前日展示をすべきなのではないかと感じます。

舞台設定としても、当日展示の当日販売ですから、サマーセールやセプテンバーセールと全く同じという事になります。上場頭数も、3日で600頭前後だと1日開催でやってたほんの数年前と比較すると3倍ぐらいいるという事になります。有体に言ってしまえば、3日間開催の「サマーセール・ジュライ」でしかないという事ですな。初日がプレミアムなんて事もないでしょう。本当に厳選してたら売り方も変えますよ。元々レポの評価なんて選抜基準と全く関係ないから、「いやこれを選抜した馬と言って売ったらアカンでしょ」みたいな上場馬が毎年一定数いますし。

昨年にサマーセールに参加した際の雑感で書いたと思うのですが、日高で開催されるセールの命綱は、嘘でも「日高のセールだと各牧場の上澄み馬達が上場されてますよ」と購買者に思ってもらえるようにオペレーションする事です。しかるにその上澄みを3倍に薄めて、舞台を一般化するのですから、これはもう完全に悪手でしょうね。

札幌競馬場で前日展示して一日間だけ本当にプレミアムな競りを開催するとか、そういった冒険もできないし、主取り手数料を10%にして御代は1000万円からにしますとか、誰がどう見ても、「そりゃ本当に良い馬が出てくるね」と購買者を納得させる事が可能になるようなギミックも作れない。景気任せと諦めているのかもしれませんが、ノーザンファームのような「自分達も何十億円という単位で実際に馬を買っている人達」とは違って、「買い手の論理」をガン無視というのはどうかと思います。

その買い手の論理でいうと、高額馬の競りなのに当日展示の当日競りというのも相当しんどい。あらかじめ牧場と話が出来ているインチキならまだしも、ヒラで参戦している陣営にとっては、午前に馬を見て、午後に数千万円の馬を買うなんて、普通にありえない金銭感覚ですから。さすがにもう少し思考するための時間と調整期間をくれと思います。そんな競り当日の電話一本で「良い馬いましたわ、3000万円ぐらいですかね?競ります?」とか、少なくとも私は馬主さんに言えません(笑)。そこまでの確信もなかなか持てないし、誰が見てもコレだななんて馬は高額になりすぎてどのみち無理ですしね。

もっとも、私も昔にそうしていた時期がありましたけど、馬見のプロなら数週間かけて事前の下見をしておけって事なのかもしれませんけどね・・・。当日展示なんて上場馬一頭あたりにかけれる時間が1分もないわけですから、何かもう最初から「無理筋」と思ってしまいます。

サマーセールは「上場頭数が多いと6日間開催」とか、ハナから何の調整もする気がないような断り書きがありますし、これもどういう了見なのでしょうね。購買者側は、今の時期に航空券や宿の手配をしても、少なくとも宿なんて取れないんですよ(笑)。日程ぐらいはさすがに決めろよという話だと感じます。

現一歳馬世代には一村氏の自家生産馬が2頭しかいないので、1頭は買わないとなと思っていたのですが、なんかもう買わなくてもいいような気もしてきました。というか、普通に買えないのではないかと容易に想像がつきますね。


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