HBAサマーセール2023 - 結果 -

5日間にわたって開催された掲題のセールを完走し、無事に神戸まで帰ってきました。

私がその購買に関係した馬は以下の1頭のみ。

 664 アメリカンペイトリオット × キクノアルバ 牡 税抜800万円  吉川氏

吉川氏からの依頼にあった園田用の馬と中西氏の馬に関しては買えず。1350頭ぐらいは上場馬がいた事を考慮すると、なかなかのポンコツっぷりを発揮した結果と相成りました。

ただ出発前のエントリーでも書きましたが、狙い馬は元々2頭のみで、候補馬他4頭は高くなって買えないだろうと踏んでおり、この4頭に関してはそのまんま予想した通りの結果でした。そして、狙いのうちの一頭は初日の上場馬だったのですが、膝が妥協できるレベルではなかったのでこれはスルー。結果的に残り1頭となった狙い馬を落札して完了。こんな感じの顛末です。

その664に関しては、予想落札価格といいますか、希望落札価格は600万円前後だったのですが、もう3日目の時点でこれを落札できないと成果はゼロになると容易に想像できたので少しおいかけての落札という事になりました。

いや、もう本当に馬が高くなってしまって買う方は大変です。

というか、例えば私が関係する現3歳馬ですと、中央競馬で勝ち上がったのはベレザニーニャとエリスグリの2頭で、更に両馬ともに1勝クラスでも入着経験があるぐらいの素質馬ですが、獲得賞金はというと940万円と860万円ですからね。抹消見舞金と出走手当他で育成費と維持費をいくらか相殺できるにしても、1000万円で買っていたら余裕の赤字です。

そして競りで仔馬を購買する場合は、2頭買って1頭当てていたら上出来というのが現実。すなわち中央競馬で勝ち上がれる馬を500万円で狙っていても実際に入手するには1000万円かかるわけですから、この条件でも3勝して特別も一つ勝っているぐらいじゃないと黒字化はしません。もしくはもっと稼げる馬を10頭に1頭は引くかしかない。

それはもうどう考えても、これ以上のお金を馬にかけるとそれこそ「高馬悲惨旅」にしかなりえないのですよ。

勿論、馬主さんによって経済状況は異なりますから、自分が損できるお金の範囲内でダメージコントロールをしながら楽しむ分には個人の自由なのですが、私はあくまでも相馬師ですので、そんな事をしていたらクビになるだけです。やっぱり今の自分が出せる精度を考えると、1頭あたりにかけれるお金は1000万円が限界でしょう。

というわけで、今年は予算にきっちりタガをはめた結果、一頭のみの購買となりました。

あと、これは言い訳になってしまいますが、1頭のみの購買にならざるを得ないという環境でもあったのですよ。

競り当日には比較展示もあるわけですから、普通は現地に行ってからでも何頭かは購買候補馬が増えるものなのです。それが今年は5日間で1頭しか残らなかったのですね。

そうなった理由は「暑さ」です。

特に酷かったのが、屋内馬房になっているエリアで、大型施設全般に熱がこもってしまっていて真面目に40℃近くになっていたんじゃないですかね。こうなると、人も馬もフラフラになってしまっていて、歩様もへったくれもなくなっているんですわ。道民は仕方ないにしても、見た目的に暑さに強そうなインド人までグッタリしてまして、毛皮を着こんでいる馬は尚更です。

つまり「運動神経の良さとか、持ってそうなキレなんて実馬を見てもさっぱりわからん」という状況だったのですね。

加えていうと、私は相馬師である前にギャンブラーですから、こんな状況のセールで自分が持ってるカードをきりたくないと感じてしまったというのもある。

さすがに過熱しすぎです。

吉川氏から貰った「税込み2000万円ぐらいで」というカードは一昔前のサマーセールであれば4カードぐらいは強かったのですが、今年の過熱した状況だと3カードぐらいにしかならないのですよ。「安くて良い馬がいたら買ってもいいよ」という一村さんのカードは2ペア、そして予算的に厳しくなる中西氏のカードは1ペアなので、もっとそのカードをきるタイミングを考慮しないといけない。

セプテンバーセールになれば確実に涼しくなるし、1日あたりの上場頭数も200頭前後になります。また、客層も変わるので、吉川氏のカードもフルハウスぐらいにはなるでしょう。何より馬が見やすくなる。

まー要するに「まだ慌てる時間じゃない」というのが私の判断。使わなければお金は別に無くなりませんから。

でも、なんといいますか「いや、良い汗かいたわ」ぐらいの満足感はありますよ(笑)。消化不良って感じは全然ないですね。「期待値の高い馬を買えて良かったな」というのがセールを終えた今の率直な感想でございます。


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