見出し画像

Webアクセスをより安全・高速に – QUIC (RFC 9000)

 先日(2021年5月)、インターネット技術の標準化を進める団体 IETF (Internet Engineering Task Force) が UDPベースのセキュア トランスポート QUIC を新たな Web向けプロトコル標準として承認しました (RFC 9000)。
 QUIC は米Googleが開発し 2013年に発表した、TCP や TLS などの機能を組み合わせた Web向けプロトコルで、TCPとは異なりコネクションレスである UDPをベースにしているため高速であるのと同時に、TLS 1.3をデフォルトとしたカスタム デザインの TLSを採用することで信頼性を改善したプロトコルになっています。また QUIC のコネクションは同一のネットワーク パスに依存せず、コネクションが別のネットワーク パスに変わっても受信側で処理できるため、ダイナミックなネットワーク トポロジー変更にも対応しています。
 QUIC を使うことで Webサイトの表示の高速化やセキュリティを確保しやすくなるなど、インターネット通信全般の改善が期待できます。2017年の Googleの調査によると、QUIC に換えることで Webページの表示時間をパソコンで 8%、スマートフォンで 4% 改善できたとのこと。また YouTube の表示開始までの待ち時間はパソコンで 18%、スマフォで 15% 改善できたそうです。
 すでに Google は 2013年以降 Chrome にて QUIC の提供を開始し、昨年の段階で Google のトラフィックの 1/3 を占めるまでになり、Google のビデオチャット Google Duo でも採用されています。今後 Web開発において Google 以外でも GUIC の活用が広がりそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?