見出し画像

子供のコンパニオンとなるか、第二世代ソーシャルロボット Embodied社 「Moxie」

 noteに初めての投稿です。まだ勝手がつかめないので、試験的に最近気になったことを書き綴ってみようと思います。
 カリフォルニア州では “Shelter-in-Place”(外出禁止) が間もなく丸半年となり、学校や友達と会えずに辛い思いをされているお子さんも多いと思いますが、6~9歳の児童を対象に遊びをベースにした学習コンテンツを通して社会性や感情などの発達を促進するようにデザインされている、子供の発育を意識したソーシャル ロボット「Moxie」(モクシー) の開発がロサンゼルス郊外のベンチャー Embodied社によって進められています。
「Moxie」の特徴は、ロボット本体の開発とは別に神経科学や心理学、児童発達学のエキスパートが20人態勢でコンテンツを開発している点。まずは12週間分のコンテンツが用意され、その後1年(52週) 分のコンテンツが用意される予定とのこと。もちろん「Moxie」はクラウド上の AIと連携し、それぞれの児童の特徴を学習しコンテンツのシナリオを調整したり適切な対処を促す機能や、状況に応じてご両親に通知する機能も持っているそうです。
 また他のソーシャル ロボットと違い広い年齢層の家族全員を対象とするのではなく、子供に絞ってコンテンツを用意している点も過去のソーシャル ロボットのビジネスモデルと異なりユニークな点です。
 「Moxie」に関しては一見は百聞に如かず、ぜひこちらのプロモーション ビデオをご覧ください: “Embodied Moxie” (YouTube, 2'08"、2020/4/29)。こちらのビデオはかなり物語化されていますのであくまでもイメージとして見ていただくのがいいと思います。色は異なりますが 2008年に公開された Pixarの映画 “WALL-E” に登場した EVEに似ていると自分では思ってますが「Moxie」はまだ空は飛びません。
 Embodied社は2016年1月にロサンゼルス郊外に設立されたベンチャーですが、Co-Founderで CEOの Paolo Pirjanian氏は iRobot社に 2012年に買収されたモップ式の掃除ロボット「Mint」を開発した Evolution社の CEOだった方で、iRobot社を 2015年に退社し Embodied社を設立しています。Co-Founderには南カリフォルニア大学コンピュータ サイエンス教授 Maja Matarić氏や、アドバイザーに Walt Disney Imagineering社のシニアVP Jon Snoddy氏をはじめ神経科学や心理学、児童発達学などの専門家が名を連ねています。
 これからベータ プログラムで多くの児童に使ってもらいつつ開発を進めていくそうで製品版の発売時期は明確にされていません(今年秋?) が、発売価格は $1,500前後(1年分のサブスクリプション込み) のようです。現時点では $50で予約できるようですが、日本向けの技適がクリアされるかどうかは不明です。
 米国においてソーシャル ロボットの第一世代は一段落した感があり、「Moxie」は新たなビジネスモデルや開発手法も取り入れて開発が進められており、第二世代のソーシャル ロボットの幕開けを予感させます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?