ホスピタリティはなぜ大事なのか。そして企業はどう提供すべきか。

ビジネス、特にサービス業において、
「ホスピタリティが大事」とよく言われる。

何故か。その理由は1つしかない。
「ホスピタリティはお客様の満足度を上げる」からである。
ホスピタリティが良ければ、お客様はサービスに対してより良い印象やより良い満足を感じ、
「質の高い・良いサービス」だったと感じる。
そうすることでリピート利用や、周りの人に積極的にお勧めしてくれるようになる。
そのようなお客様は、企業にとってローコストで企業に貢献してくれる重要な存在になる。

だから「ホスピタリティが大事」とよく言われている。

では、そのホスピタリティとはなんなのだろうか。
どうすれば、企業はこのホスピタリティを運用出来るのかを今回は書いていこうと思う。

ホスピタリティの語源などは検索すれば出てくるのでここでは割愛して、現代におけるお客さん目線のホスピタリティとは何かを説明したい。それは下記に尽きる。

ホスピタリティとは「お客さんが予期しないサービス・体験」である。

身近な例で言うと、
一度だけ訪れたお店の店員さんが、次の来店の時に名前や顔、以前来た時に話した内容を覚えていることだろう。

この手の顔や話の内容を覚えるというのは、どの接客業においてもメインのサービスではない。
ラーメン屋では美味しいラーメンを出して欲しいし、医者なら身体の不調を診断してほしい。
だからこそ「顔を覚える」というのは、お客様側も期待していない、"良い意味の体験のギャップ"なのである。
これを与えることで、お客様は店員やお店に対して好感を持ち、警戒心を解き、お客様の中で"ひいき"なお店として位置付けられるようになる。

得てしてお客様がホスピタリティを感じる時は、例で挙げた「顔を覚える」といったマニュアルなどで統一することが難しい対応が多いが、
実はマニュアルなどで画一化できるものでも良い。

例えば「初めて来店したお客様が誕生月だったらケーキをサプライズで提供する」と言うサービスがあったとよう。お客様からしたらそのサービスを事前に知られなければ、それはホスピタリティになり得るのだ。

ここが企業がホスピタリティ で顧客満足度を上げる為の大事なポイントになる。

意図的に情報をコントロールして、ギャップを演出することでホスピタリティは生み出すことができる。

例えば、コロナ禍でソーシャルディスタンスが求められる飲食店であれば、いっそ席を個室化してしまうのも手だ。
個室にして他のお客さんが受けるサービスを見えないようにしてしまうのだ。
そうすることで、サプライズを事前に知られることなく提供して、良いギャップを生み出し、ホスピタリティを感じてもらうことができる。

得てしてこういうものは口コミやSNSで内容がバレていくものだが、その形で知れ渡ったとしてもホスピタリティが高いという評価を受けることが多い。
おそらく口コミという曖昧さがいい意味で、確実に提供されるサービスではないという印象を与えるのだろう。

スタバでメッセージが書かれたカップの写真がSNSで回ってきたとして、自分の注文時に必ず書かれるとは思わないだろう?

このように対外的に「明文化しないサービス」を一部用意することで"良い意味の体験のギャップ"
を演出することが、企業にとってホスピタリティで優位性を創り出すために必要な考え方になる。

高級ホテルなどでは、この「明文化しないサービス」を「コンシェルジュ」という役割が対応している。

コンシェルジュは予め出来ることと出来ないことを詳細には明示しない。お客様に依頼や相談されて初めてその要望に応えられるように最善を尽くす。だからこそお客様から見ても要望が叶えられて当然。ではなく良いギャップとして受け止められる。

そういう曖昧な良いギャップを生むサービスを作るのが企業にとってより良いホスピタリティの提供手法になるでしょう。

文中の企業は個人に置き換えても同じ意味になります。
是非読んだ貴方も周りの人へのホスピタリティを持ってみてはいかがでしょうか。

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