P&Gで学んだビジネスの戦闘力「人生をプロマネしろ!」

こんにちは。長谷川晋です。

11月に初めてのnoteを書きました。多くの方に「1ページをなめるな!」を読んでいただき、本当に嬉しかったです。ありがとうございます!

さて、今回ですが年末年始ということで、日々のビジネスだけでなく、ご自身の人生やキャリアについて考える方も多いかなと思います。そこで、私がP&Gで学んだビジネスの戦闘力「人生をプロマネしろ!」を紹介します。このnoteが皆さんの人生やキャリアを考える上で少しでも役に立てば嬉しいです。

前回1ページの提案がビジネスのどんな場面でも活用できるとお伝えしましたが、実はプライベートでも十分に威力を発揮するんです。私は自分の人生やキャリアでも1ページを活用しています。以下、私の体験を交えながら、どう「人生をプロマネ」していくか説明していきます。

私はP&Gに中途入社し、数え切れないほどの失敗と苦労を重ねましたが、その中でも学びが大きく今でも活きていることがプロジェクトマネジメント(=プロマネ)の仕組みです。

今振り返ってみると特別なことをやっているわけではないのですが、少なくとも25歳当時の私が「すごい!」と感動したのは、以下の非常にシンプルなプロマネのフレームワークです。

STEP 1 : Define Success|プロジェクトが成功したって言える理想的な状態は?
STEP 2: Gates & Dates|その成功を踏まえていつまでに何をしないといけないか?

(ちなみに、前回の「1ページをなめるな!」で紹介した5つの項目と実はリンクしています。Define Success = Objectiveで、Gates & Dates = Next Stepとイメージしていただけると理解しやすいかなと思います。)

実際にこのやり方で様々なプロジェクトをプロマネしていくと、がむしゃらにノリや根性だけで進めるよりも成功確率が上がることを身を持って体験し、このやり方はイケるなと腹落ちしました。

一方で、自分にとっては柔らかいおむつを出すとか、5枚刃のカミソリを出すというプロジェクトも当然大事だけど、それと同じくらい自分の人生やキャリアの成功確率を上げたいと思いました。だから、P&Gのプロマネの手法を自分の人生に応用してみて、それによって成功確率をあげようと思いつきました。

2004年の年末に休暇でバリ島へサーフィンをしに行き、時間もたっぷりあったので、その時に一気に人生の1ページを作成しました。

まずは自分の人生の成功の定義って何だろう?と自問自答を始めました。いろいろ考えたのですが、最終的に重要視したのは「死ぬ瞬間」です。自分が死ぬ瞬間にどうなっていたいか、それが究極の人生の成功像だなと。なので、その瞬間を明確にしていった結果、私の成功の定義は、以下のようになりました。

孫に囲まれて「じいちゃんの人生かっこいいやろ!」と腹の底から言うこと

死ぬ瞬間を想像する過程でしっかり自分と向き合った結果、周りからの評価、お金持ちになるとか、社会的な意義とか、そういう高尚なものではなく、自分はもっとシンプルで手触り感のある成功を求めていると気付きました。すごく自己中心的でカッコ悪いなとも思いましたが、自分の腹の底から出てきた死ぬ瞬間の成功イメージだったので、それで良いんだと割り切ることにしました。

成功の定義を設定した後は、「どうすれば、孫にカッコええやろ!」と胸を張って言える人生になるかをリアルに想像しながらGates & Datesを計画していきました。例えば、投資銀行の仕事は、かっこいいし、めちゃくちゃ儲かるけど、孫にシンプルに説明できないから違うかなと(例えばM&Aの仕事を小学校低学年の孫に説明するって相当難易度高そうですよね)。そんな感じで、成功の定義と照らし合わせながら、具体的にイメージしました。

その中で、私は45歳で体も心も元気なうちに、そこからは「生活のためではなく、自分が本当に情熱のあるものに人生の時間を使えることがカッコいい」という想い(ライフワークとして考えている日本からグローバルなリーダーをもっと育成・輩出すること、当時始めたばかりのサーフィンなど)を1つのGates & Datesとして置きました。すると、そうなるためには45歳までにFinancial Freedomを得ることが必要だとなったわけです。決して贅沢な生活をしたいわけではないけど、45歳の時にいくらくらいあればいいのかな、という皮算用もしました。

じゃあ45歳でそうなるためにはどうしたら良いか、次の(手前の)Gates & Datesを考えていきました。その過程は何でも良いのではなく、キャリアの最後は「自分で事業を興して、ガチンコでビジネス界で勝負をして、その結果Financial Freedomを手に入れた」というストーリーであれば、孫でも分かってくれし、自分としても素直に胸を張れそうだなとイメージできました。

ということで、35歳で起業 → 10年かけて成功させて → 45歳でFinancial Freedom → 情熱のあるものに人生の時間を注ぐ、という計画を作りました。繰り返しになりますが、全く根拠のない計画、というか絵空事ですが、自分の成功の定義に繋がっている、それこそが大事です。

当時27歳だったので、35歳で起業して「成功する」ために何が必要かを考える(あくまで起業がゴールではなく、それは手段なので)、そこで考えた足りないスキルや能力を1年1年目標を立てて、サラリーマンをやりながら爪を磨いていきました

例えば、自分が起業したときに採用のことわかってないと致命傷になるから、今年は会社の採用プロジェクトに参加するといったように、自分の人生プランに意味のあることは積極的に取り入れていくようにプロマネしていきました。このように成功の定義とGates & Datesがあると、サラリーマンであってもより主体的に自分の所属する会社や組織から、自分に必要なものを吸収しようという姿勢になれます。

ちなみに、起業して成功したいのであれば、そんな周りくどいことはせずに「さっさとやってしまった方が早い!」というご意見もあるかと思います。正直、その通りだと思います。でも少なくとも当時の自分は、想像すらできない起業をすぐにやるよりもサラリーマンとしてスキルを磨きつつ、でも期限を決めて準備をする方がしっくりときました。そういう、自分の性格やペースも踏まえてどこで折り合いをつけるのか、どんなペースで生きていくのかという覚悟を具体的な形で決めることが重要なのかもしれません。

とはいえ、全てGates & Dates通りには進みません。実際に起業は2019年8月だったので41歳、実に6年遅れです。でもそれで良いという納得感はありました。なぜなら、その時々で「元々のプランよりも遅らせてでも、これをやりたいのか」を自分なりにシビアに考えて判断してきたから。35歳の時、このままでは起業しても成功しないと思ってインターネットの世界を知ろうと楽天に入り、38歳の時にはFacebook Japanの代表を散々迷った後に(そして実は一度はやめときますと断ったのに)やろうと決めたのも、いますぐ起業する場合と比べてどちらの方が結果的に自分の成功の定義に近づけるかをもとに判断。遅らせてでも、成功確率や成功した時のスケールが劇的に上がるならその価値がある、その代わり1年1年を無駄にできない覚悟でやってきました。

そして、人生プランは作りっぱなしではなく、毎年の年末に一年の振り返りと翌年のプランニングをしています。今年一年でどれだけ人生プランで描いた成功に近づいたのかをシビアに評価し、更に近づくために翌年何をやるのかを書き出し、それを年間のアクションに落とし込む。何年にもわたり、この作業を全て1つのノートにまとめて、自分の人生に対する考えを「蓄積」する仕組みを作っています。人生やキャリアは幅広いので同じところでぐるぐると悩みがち。なので、そのような考えを蓄積して、積み重ねて、迷ったときに立ち戻れる指針を持つようにしています。

最後に、私が15年以上前にバリ島に行き、クタの安宿で書き上げた人生プランの1ページを貼っておきます。一緒に行った友人に証人としてサインももらっている大切な人生の1ページです。(かなり個人的な内容が含まれるので、お見せできない部分は隠していることご了承ください。でも、構成や内容のイメージは掴んでいただけると思います。)

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以上、P&Gで学んだビジネスの戦闘力「人生をプロマネしろ!」でした。年末年始の時間がある時に、ぜひご自身の成功の定義、そしてそこにたどり着くためのGates & Datesをできる限り具体的に描いてみてください。最初から完璧なものは作る必要はありません。少しずつチューニングしていく形でOKです。「仮」でも良いので、言語化して、紙に落とす作業こそが大切だと思います。

では、私もこれから自分の人生プランを見返して、来年の目標を立てようかと思います。皆さんも良いお年をお迎えください!

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