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「私が社会人1年目に知っておきたかった7つのこと」

こんにちは。長谷川 晋です。

私はMOON-Xというスタートアップの経営者をしていますが、ライフワークとして次世代のビジネスリーダーに向けて「#ビジネスの戦闘力」を上げる情報をTwitterやnoteで発信しています。

私の東京海上、P&G、楽天、Meta (Facebook)そして起業という経験を踏まえて「私が社会人1年目に知っておきたかった7つのこと」をまとめてみました。


#1|圧倒的当事者意識

「圧倒的当事者意識」はリクルートで使われている有名な言葉で、私も非常に共感しています。今まで働いてきた人の中で、優秀だと思った人は必ず「圧倒的当事者意識」を持っています

どんなビジネスにもKey Business Driver(=KBD)が存在します。要は、ビジネスを伸ばす上で、絶対に抑えなければいけない要素です。たとえKBDが自分の配属された部署の管轄外であったとしても、KBDには積極的に首を突っ込んで腹の底から理解してください。短期的には評価にも繋がらず意味がないように思えるかもしれませんが、数年後に大きな違いになって現れます。

また、少なくともKBDについて、常に自分の意見を持つようにしてください。別に最初は間違っていても良いんです。まずは「私はこうするべきだと思う」という意見を持つことが重要です。そして、その意見をミーティングなどで発信しましょう。ビジネスの世界で「脳ある鷹は爪を隠す」という美学は通用しません。「あいつ目立ちやがって」と陰口を叩く人がいるかもしれませんが、放っておいて問題ありません。その間にあなたは着実に成長しています。

さらに、上司との関係でも「圧倒的当事者意識」は通用します。上司から指示を待つという姿勢ではなく、「上司を使う」ものだと捉えてください。新入社員の時は右も左もわからないので、聞きたいことだらけだと思いますが、その時も「私はこうするべきだと思うんですけど、どう思いますか?」とまずは自分の意見をぶつけられると良いです。最終的には「プロジェクトを進める上で、ここがバリアになっているので、前に進めるためにサポートください。具体的には○○○して欲しいです。」のように、上司のパワーを上手く使って前に進められるようになるのが理想です。

#2|スピード命 & 段取り命

良い評価をされるのは、期待値を上回った時です。もう少し噛み砕くと、スピード / 質 / 量のどれかで期待値を超えた時です。その中で、新入社員の皆さんが勝負すべきなのはスピードだと思います。

質や量は経験や知識がある程度必要になってきますが、スピードなら若手でも勝負することが可能です。期日より早く仕上げて、上司や先輩から事前にインプットをもらう、ミーティングの議事録は終了後に速攻で送るなど、意識すればスピードで輝けるエリアはたくさんあります。

もちろん最低限の質や量は求められますが、勝負するべきはスピードだと心得るべきです。楽天でも"Speed, Speed, Speed!"Meta(Facebook)でも"Move Fast"などと言われ、会社のスピードをあげることが非常に重視されています。それだけスピードが今の世界で勝つために重要だと経営者が強く意識している証拠だと感じます。ちなみに、私が経営するMOON-Xでも大切にしているCultureの最初に来るのがスピードです。

では、スピードを上げるコツは何かと言えば「段取り力」を磨くことです。思い付いたことや言われた仕事を手当たり次第にこなすのではなく、プロジェクトの成功のために自分のやるべきことを事前に洗い出し、前もって手順を整える力です。例えば、チームミーティングは先々含めて事前にセットするべきだし、そのミーティングに持っていく提案を1人で考える時間も事前に予定に入れ込んでしまいます。そうすることで半強制的に段取り力を高め、やるべきことを自分でコントロール出来るようになるので(vs. やることに振り回される)、結果として物事をこなすスピードも上がっていきます

ちなみに、段取り力を磨くのにオススメなのは飲み会の幹事です!私の経験上、飲み会の幹事を上手く仕切れる人と仕事が出来る人には強い相関関係がある気がしています笑。ぜひ飲み会の幹事には積極的に手を挙げてください。    

#3|テンパりながら伝説を残す

「テンパること」を歓迎しましょう。なぜなら人はテンパる、キツい経験を通して成長するからです。これはビジネスのみならず、どんな分野でも言える真理です。筋肉痛になるからこそ、筋肉が大きくなるのと全く同じです。

逆を言うと、テンパる必要がないcomfortableな状況にいるようであれば、それこそが危険信号だと思うべきです。そのままぬるま湯に浸かっていると成長が鈍化します。なので、テンパっている = 成長しているんだ!とポジティブに捉えましょう。P&Gでは”Put you in the unconfortable zone for your growth”とよく言われていました。

その中で、伝説を残すことを意識します。自分が与えられたポジションや、取り組んでいるプロジェクトでどうやったら大きなインパクトを残せるかを考えましょう。P&G時代、大先輩のアメリカ人のメンターに「Shin、お前は今のアサインメントでどんなLegendを残そうとしているんだ?」と聞かれてハッとしました。目の前の仕事をこなすだけで精一杯になって、そのような良い意味での野望を持たずに「まわしている」だけだったことに気づいたからです。それからは「自分がどんな伝説を残せるのか?残したいのか?」を常に意識するようになりました。例えば、転職して楽天に入社した時にも「自分が何をしたら会社全体の株価を大きくあげれるような仕事ができるか?」を真剣に考えて、グローバルなマーケティングの取り組みや体制作りに一生懸命取り組みました。

別の言い方をすると、何十年後に自分の本を出すことになったと想像して、どんなエピソードなら本に載せらるか、という視点で考えるのもの良いかもしれません。何かと失敗を恐れて小さくまとまってしまいがちですが、そんなエピソードなんて本に入れても面白くもありません。失敗するにしてもでっかい失敗なら、本に載せられるし、それこそ振り返ったら笑い話です。失敗も含めて本に書けるくらいの伝説を作る気概で取り組みましょう。

#4|学びの仕組み化

学生時代までは、同世代の中で活動することが多かったと思いますが、社会人になったら自分より圧倒的に経験 / 知識のある先輩と働くのですから、最初から上手くいく訳がありません。失敗して当たり前です。ただ、会社からお金をもらって、プロとして結果を出さなければいけない。そのためには、失敗も含めて全ての経験からなるべく多くのことを学ぶ姿勢を習慣化することが必須です。

人は成功や失敗をしたり、誰かに何かを教わったり、いろんな経験をする中で学んだと感じても、残念ながらすぐ忘れてしまうものです。なので、学んだ時に1行でも良いので、その学びをノートに書き溜めるようにしましょう。私は20代の後半から、「人生・キャリア」「マーケティング」「戦略」「組織」などテーマごとにノートを作り、そこに自分が得た学びや気づきをずっと蓄積し続けてきました。今は、Evernoteなどの便利なツールもあるのでそのようなものを活用しても良いかもしれません。

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他には、自分一人で学びを蓄積するのではなく、チームで仲間と一緒にやるというアプローチもあります。私が実際にP&G時代にチームのメンバーと実践していたのは、4半期に1度、過去3ヶ月を振り返ってTop3の学びをまとめてお互いに発表するというやり方です。実際に私がやっていたフォーマットを紹介します(実物なので内容を伏せることご了承ください)。何を学んだのか、どのような経験の中でそれを学んだのか、そしてその学びに基づいてどのようなアクションを取るのかを自分の中で整理し、咀嚼し、行動に移すためのフォーマットです。

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一番のポイントは、学びを踏まえてどのように行動を変えていくか "How I change action differently" を明確にすることです(上記添付の一番右側のところです)。この学びの1pageを定期的に見返して、自分が過去の学びを活かして、成長出来ているかチェックしましょう。自分1人だと妥協しがちですが、仲間と通り組むことで甘い誘惑を断ち切ります。                                                                                      

#5|人として本気で向き合う

どんな会社に入社するにしても、自分1人だけで完結する仕事はほとんどありません。誰かと協力して成し遂げるプロジェクトばかりです。特に若手の時は、多くの先輩方に助けてもらうことが多いと思います。そういった周りの方々の支えのおかげで、仕事が出来ていることを有難いことだと感謝しましょう。そしてその感謝の気持ちを込めて誠意を持って本気で接するようにしてください。

社内の人にだけでなく、社外の人にも同様です。例えばマーケティングの部署などに配属されると、代理店の方々は新卒のあなたのことでさえ敬ってくれます。これを当たり前だと思って横柄な態度を取るのは最低です。代理店の方々など外部のパートナーの方の多大なるサポートがあって、あなたのプロジェクトが前に進んでいることを肝に命じてください。彼ら、彼女たちにも心から誠意を持って接しましょう。

また、私自身は仕事で接するさまざまな人たちに対して、ビジネスとして割り切った浅い関係ではなく、「1人の人間として本気で向き合う」ことを自分なりのこだわりとしてやってきました。当然、それは他人のプライベートに土足で踏み込むということや、公私混同するというようなことではありません。ただ、「人として本気で向き合う」とは、その人の生まれ育ちや、価値観・人生観、大事にしているもの、将来の夢なども含めてなるべく理解をし、そして自分自身も理解をしてもらって人間関係を築いた上で、仕事を一緒にするというスタンスだと信じています。

私の20年近くの社会人生活を振り返って見ると、物凄く頭の切れる人はたくさん見てきましたが、ビジネスの世界で性格のめちゃくちゃ良い人はそこまでいない気がします。だからこそ、誠実な対応ができる性格の良い人は、自然と周りの応援を受けて、どんどん成果を出せるポジティブなサイクルが生まれていると思います。

私自身、10歳上くらいの先輩に、色々と相談に乗ってもらい、助けてもらいながらここまでやってきました。私はそのような先輩に貢献できることはほとんどなかったのですが、それでも時間や労力を惜しまず助けていただいたのは、自分が本気度が伝わり「まあ、しょうがないから助けてやろうか」と思っていただいたのかなと感じています。

#6|胸を張ってパクる

パクると聞くと、抵抗がある人もいると思います。ゼロから自分の力で立ち上げたいと思うのはすごく自然なことです。

ただ、私自身が身に付けて実践しているリーダシップや思考法などは90%以上がパクりです!

例えば、マーケティングや戦略については、P&G時代の上司である音部さんからパクっていますし、リーダーシップについては、Meta (Facebook)時代の上司であるDan Nearyからパクらせてもらっています。

周りにいる人の良いところをパクってみて、自分流にカスタマイズをしていくことで、集合体としてはユニークな存在になれます。だから、パクることは全然恥ずかしいことではなく、胸を張ってどんどんやるべきです。

#2のスピード命でも書いたように、今は変化がすごく早い時代です。なおさら学びのスピードは早いことに越したことはないので、その領域で自分より優れている人に教えてもらった方が圧倒的なスピード感を持って成果を出せるはずです。

胸を張ってパクっていきましょう!

#7|セルフエンジンを高める

セルフエンジンとは、自走できる力のこと、つまり環境に左右されず、自分自身の力で動かし結果を出す力だと定義しています。

今の時代、上司や先輩が常に横にいて、懇切丁寧に教えてもらって伴走するのは物理的に難しくなってきていると思います。優秀な人は誰かに指示される前に、自分で考えて、動いて、結果を出しています

そもそも環境に左右されるのはプロフェッショナルではないと考えます。もちろん気分が上がらない、テンションが低い時もあります。そんな時、どうすれば回復するのか、解決する習慣を持っておくべきです。ちなみに私の場合は、通勤時にテンションの上がる漫画を読んだり、煮詰まったら散歩をするなどを習慣としています。

そして、セルフエンジンはメンテナンスも重要です。常にフルスロットルでエンジンを蒸し続けるのは不可能です、遅かれ早かれエンストします。ビジネスは長期戦です。心身ともに健康でい続けけるために、意図的にメンテナンスすることを忘れないでください。


以上が「私が社会人1年目に知っておきたかった7つのこと」でした。少しでも皆さんのヒントになれば嬉しい限りです。

Twitterにで「#ビジネスの戦闘力」を高める投稿をしていますので、宜しければフォローしてください。また、質問箱も用意しています。何か聞きたいこと、相談したいことあれば、ぜひご活用ください。

また、2022年11月に「1ページ思考」という書籍を発売しました。1枚の紙に自分の考えを整理し、それを活用しながら周りを巻き込んでいくというメソッドを紹介しています。ビジネスだけでなく、人生設計などにも使える汎用性の高い思考法です。ご興味のある方はぜひご覧ください。


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