孫さん

私が毎週欠かさず見ているサンデーモーニングにソフトバンクグループ会長の孫さんが出演した。まさかこの番組に出るとは想像もできず、見ていて違和感しかないのだが、経済分野の話を聞いて思わずうなってしまった。かつて、インターネットバブルに沸いた時の孫さんの実力を知って興奮した時と同じような感覚をもう一度味わうことになったのである。この人は本当にすごい。天才だと感動してしまった。孫さんが語ったのは、日本の経済についてとAIについてである。前者については、よく言われるのがアベノミクスの失敗で政治が悪いという話は何度も聞いたことがあったが、経済界にい続ける孫さんからすれば、日本の構造的な問題だという。ITバブルが起きた際に若者がしようとすることに耳を傾けずに、保守的に動いた結果、技術の進歩が止まってしまい結果的に世界から取り残されることになったという。アメリカのようにチャレンジを受け入れる社会であればこうはならなかったのではないかという。両国の技術力の差は歴然としていて、企業価値ランキングの上位をアメリカが独占し、日本のトップであるトヨタが30位圏内であることが物語っている。AIについては、今後4年間で1000倍、更に4年間で1000倍、更に次の4年間で1000倍の処理速度になり、12年間で10億倍になるという。既に医学試験に合格できるchatGPT4.0が10億倍の進化を遂げるとなると、もう人類は到底かなわないレベルである。イーロンマスクによると、来年にAIは人類を超えるという。そんなAIに積極的に投資しているのがアメリカなどの国である。孫さんは世界に負けじと新たな取り組みを開始するとのことで、アメリカの病院にあるがん患者約1000万人のデータベースと日本のがんの中核病院10数社のデータベースを連結して、AI解析できるようにするという。例えば、胃がんであり糖尿病を患っている患者に対する治療方法について尋ねると、データベースから実績のある治療方法を提案してくれるという。また、これは、アメリカの最新の論文や研究、治療薬を自動で翻訳して回答してくれるということで、最先端の治療方法も含めて提案してくれるという。孫さんの父親がガンでなくなり、このようなことを二度と起こしたくないとの思いでこの構想を実現したという。このようなAIによる新しいビジネスが様々な場面で生まれてきている。医療分野では、新薬開発や診断・解析、農業分野ではビニールハウスなど人間が入れないほど熱くなった場所で画像解析により野菜を収穫するAIロボットなどである。これらの話を聞いて明らかになったのは、アメリカへの投資を更に加速する必要があるということである。この10年でアメリカ経済は更なる飛躍をすること間違いなしである。日本経済への期待もそうであるが、それ以上に投資先であるアメリカ企業の成長が楽しみで仕方がない。

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